日本の住宅事情は非常に窮屈だ。家と家の隙間なんて、猫しか通れないぐらい肉薄していることもザラ。特に居住する上で気を遣わなければならないのが、集合住宅だ。
7月中旬、ガールズちゃんねるに、「集合住宅の騒音問題【微妙なライン編】」なるトピックが立っていた。このトピックを用意した方は、二階建てのアパートに住んでいるということだが、最近になって空き部屋だった隣室に人が入ったという。(文:松本ミゾレ)
ドタンバタンという音に電動ドリル……新しい入居者が、日中うるさすぎる!
「日中の物音がやたらうるさいんです。ドアの開閉音、ドスン、バタンという音や振動、何かを叩く音、電動ドリルの音が聞こえたこともあります。隣室の前の住人のときも生活音は聞こえたけど、明らかにひどいです」
よくある日本の集合住宅トラブルで、一見すると取るに足らない話に感じられる。本人も、普通のこととして我慢すべきか悩んでいるといった状況だったようだ。
そのまま我慢するか、管理会社にクレームを入れるべきかの二択で悩んでいるということだが、「引っ越せばいい」という意見は求めていないという。まあ、引越しはお金かかるし、それもしょうがないか。
引越し当初は誰もが意図せず騒音出しがち…まずは1か月程度我慢はすべきか
このトピックには、様々なアドバイスが寄せられている。
「最近引っ越して来たなら片付けなどで五月蝿いのかもしれませんので、しばらく私なら我慢します。しばらくしても五月蝿いのなら昼間の音でも管理会社さんに匿名で注意して頂きます」
「日中なら我慢するかな。 電車や工事やら日中やって夜は静かにするものだし」
引っ越したばかりって家具の組み立てもあるし、足の踏み場も少ないなか移動するから、ついついドタバタしてしまうもの。電動ドリルの音なんかがするのも、きっと壁にビスでも打ち込んでいたんだろう。
それに、一応騒音は日中がメインのようだし、個人的にもしばらく様子見すべきかなぁ、とは思う。ただ、1か月もそういう状況が続いていたなら、さすがに管理会社に文句を言ってもいいだろう。
隣に引っ越してきた爆音の金髪野郎とトラブった話
ここでちょっと、筆者の近況について書いてみたくなった。僕は新潟に引っ越してきて、今年で10年になる。その間ずっと、日当たりが悪くて、家賃が妙に高くて、壁の隙間から虫が入ってくるアパートの1階に住んでいる。
角部屋で、しかも隣には誰も入居していなかったため、長いことのんびりと暮らせていた。
ところが、一昨年ぐらいに昼夜問わずオーディオでウーファーを響かせまくるタイプの、痛い中年男性が隣室に入居したことで、はじめて「うわあ、このアパート、壁薄かったのか」と気付かされることとなった。
なんせ隣室から、「ズン、ズン、ズン、ズン」と頭の悪そうなリズムがしとどに流れ込んでくるのだ。これはたまらない。最初こそ、自腹で吸音材を購入して壁に貼り付けたりしたけど、それでもあちら側に部屋のくしゃみやら咳払いが聞こえてくるレベルだった。
向こう側の音がそこまで筒抜けとなれば、きっとこちらの生活音もダダ漏れになっているわけで、程なくして僕と隣人は、壁を蹴り合う間柄になった。僕はどちらかと言えば夜型なので安眠を妨害されることはなかったものの、深夜もアホみたいな音量で曲を流している隣人には、辟易した。
一度文句を言いに行ったが、このとき初めて隣人が、気持ちの悪い中年のドラマー崩れの金髪野郎だと知った。
お互い日々頭にきているので口喧嘩になったことは言うまでもないが、本来こういうのってバカがやる駄目なやり口のお手本みたいなもの。安アパートの隣人同士が、やれうるさいだの何だの争っているわけだ。そらもう惨めな話である。
おまけに喧嘩のせいで、僕まで「迷惑な住人」扱いされるようになった。せっかく管理会社や大家が存在するんだから、直接喧嘩なんかしないで、そういった人たちを頼ればよかったと、今更ながら後悔している。
このように、集合住宅は色々なストレスの元になることは珍しくない。集合住宅の利点って、何なんだろうか……。