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2017年全日本F3チャンピオン獲得の高星明誠「まだチャンピオンの実感がない」

2017年09月23日 21:52  AUTOSPORT web

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2017年の全日本F3選手権チャンピオンを決めた高星明誠
9月23日、スポーツランドSUGOで18周の決勝レースが行われた全日本F3選手権第19戦。このレースで4位に入った高星明誠(B-MAX NDDP F3)は笑顔をみせつつも、「今はまだ全然実感がありません」とレース後語った。

 今季B-MAX RACING TEAM WITH NDDPとしては1台体制として全日本F3に挑んだ高星は、開幕ラウンドの岡山で2勝を挙げると、今季は合計で7勝をマーク。また、安定して表彰台圏内を獲得しつづけており、シリーズ後半戦で連勝を積み重ねてきた坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)に対し、この第19戦終了時点で12点差を築けば今季のチャンピオンを決められる点差だった。

 迎えた第19戦で高星は、予選4番手から好スタートを決めるも、1コーナーでわずかに行き場を失い、アウトから阪口晴南(HFDP RACING F316)にかわされ5番手で序盤を戦うことを強いられる。ただ、坪井が2番手だったため、このままフィニッシュすればチャンピオンが決まるはずだった。

 しかし、11周目のSPコーナーで首位を走っていた大津弘樹(TODA FIGHTEX)がクラッシュ。セーフティカーが導入されるとともに、坪井が首位に立った。これでもし坪井がファステストラップを獲れば、チャンピオン決定は9月24日の第20戦に持ち越される。

「レース直後はチャンピオンを決められたと思っていませんでした」と高星はフィニッシュ時の状況を振り返った。リスタート後の15周目に坪井がファステストラップを出していた状況で、高星はチャンピオン獲得を把握していなかったのだ。

 それもそのはず、ファイナルラップに「獲っていいものなのかは分かりませんでしたが、何かしら結果を残したかったですし、ファステストが欲しかった」と2位の宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM'S F314)がファステストを塗り替え、チェッカー時に坪井の1点が消え、高星のチャンピオンが決まったからだ。

「今はまだ全然実感がありません(笑)。宮田選手がファステストラップを獲ったということを聞いて『もしかしたら』と思ったくらいです。ピットに戻ったらみんながホッとしていたので、『獲れたのかも』と思った感じで、『イエーイ! やった!』と大喜びする感じではありませんでした」と高星はチェッカー後の様子を振り返る。

「実感はありませんが、チャンピオンを獲れたということは、2017年を通して最も多くポイントを獲れたということなので、いいシーズンになったのだと思います」

 そんな高星は、これまでB-MAX RACING TEAM、そして高星自身もそこまで得意としていなかった鈴鹿サーキットでの第2ラウンドで連勝を飾ったことが、チャンピオンへの流れを作ることができたという。また、後半戦で坪井が怒涛の追い上げをみせたが、「苦しい戦いになると自分では思っていましたが、そういう時期こそ踏ん張らなければと考えていました。表彰台獲得を確実に続けてきたことが、チャンピオンに繋がったと思います」と今季を振り返った。

 ただ高星は、終盤の2ラウンドのなかで「勝ってこそチャンピオンだと思う」と坪井の連勝を止めたい希望を常々話していた。24日の第20戦は4番手からのスタートだが、プレッシャーから解き放たれた『新チャンピオン』がどんな走りをみせてくれるのか。

「今日の第19戦を見ると、第20戦はどんなレースになるかは分からない。今日はレースペースがあまり良くなかったので、改善したいですね」と高星はどこかホッとしたような笑顔で、翌日に向けて意気込みを語っていた。