ニスモは9月22日、ドイツ・ニュルブルクリンクで9月23日に行われるVLNニュルブルクリンク耐久シリーズ第7戦に、ニッサンGT-RニスモGT3の“エボルーションモデル”をテスト参戦させると発表した。
ニッサンGT-RニスモGT3は、FIA-GT3規定に日本車として初めて対応した市販レーシングカー。2012年に初めて公開され、15年仕様はスーパーGT300クラスやブランパン耐久シリーズ等でチャンピオンを獲得するなど、世界的な活躍をみせた。
そんなニッサンGT-RニスモGT3だが、年々競争のレベルが上がるGT3マーケットに向けて、エボルーションモデルの開発を進めており、日本国内を中心に開発テストが進められている。外観上は市販GT-R同様Vモーショングリルを採用したほか、空力面も変化。また、車体内部も大きく変更されていると言われている。
4月に開発テスト中の画像が公開されて以降、このエボルーションモデルについては続報がほとんどなかったが、23日から行われるVLNで、ついに“実戦デビュー”を飾ることになった。市販スポーツカーの開発コースとしても知られるニュルブルクリンクはGT3のテスト参戦の舞台にも多く活用されている。
今回はまだ“GT3”としての参戦ではないため、GT3カテゴリーの『SP9』ではなく、特別車両向けの『SPX』カテゴリーでの参戦となる。今回このクラスには、常連と言えるマンタイ・レーシングのポルシェのほか、メルセデスAMG GT4やルノーR.S.01などが参戦する。また、SP9にはBMWやメルセデス、アウディ、ポルシェといったGT3の常連チームが参戦しており、テストの機会としては申し分ない。
チームは『ニッサン・モータースポーツ』としての参戦で、ステアリングを握るのは開発ドライバーのミハエル・クルムと、昨年までザクスピードのGT-Rを駆っていたトム・コロネルとなる。
「今回は開発プログラムを一歩進め、レースコンディションでのデータ収集を目的としてVLNにテスト参戦します」というのは石川裕造ニスモ開発担当常務執行役員。
「ニュルという車両への負荷の大きいサーキットでの貴重な技術データに加え、GT-Rを熟知したクルムと、ニュルでのレース経験豊富なコロネルのふたりからのフィードバックで、クルマをさらに改良して、多くのお客様に選んでいただけるGT-Rに仕上げていきたいと思います」