寛 一 郎、21歳。自分を撮影するスチールカメラを前に、少し居心地悪そうに
「笑うのって、難しいですね」
と、はにかんで見せた。
今年、俳優デビューした彼の父は佐藤浩市、祖父は故・三國連太郎さん。23日より、出演映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が公開される。共演の山田涼介(Hey! Say! JUMP)、村上虹郎と幼なじみの設定で、現場での雰囲気はとてもなごやかだったと振り返る。
「すごく居心地がよくて、いい意味で気を遣わずに過ごせた時間でした。山田くんがいちばんお兄さんだったので、僕と虹郎のことを引っ張ってくれて、頼もしかったですね」
撮影中、大好きすぎてこんな事件が……!?
「甘いものが好きで、映画の撮影中もよくチョコを食べていました。走るシーンの前で食べすぎちゃって腹痛を起こしたりも……。西田(敏行)さんにも、現場で「チョコが好きなんだね」と声をかけていただいたことを覚えています(笑)」
これが、デビュー後2本目の公開作品に。役者の道を選んだきっかけを聞くと、
「ちゃんと向き合えたのは思春期を超えたあたり。自分を見つめ直す時間を作って、いろいろな映画を見ているうちに、自分にとって身近な仕事だった“役者”への気持ちがどんどん強くなったと思います。
親父について聞かれることはもちろん多いですし、昔の僕だったら反抗してしまったかもしれません。でも、その気持ちは今も僕の中にちゃんとあって、忘れたくないなとも思っています」
仕事への姿勢については、
「お互い干渉しないようにしています。きっと親父は僕に“どうなんだ?”って聞きたいでしょうし、僕も“どうすればいいんだ?”って聞きたいことはあります。でもそこは、親父でもあるけど役者・佐藤浩市でもあり、僕にとっては大先輩なので、まだ聞けないですね」
こちらの質問に、飾らず、まっすぐで力強い物言いが男らしいと伝えると、
「そうですか? それは、僕自身が“そうありたい”って思っているからかもしれないです(笑)。まだまだ未熟な人間なので。これから自分の色を出していけたらいいなと思っています」
時空を超えて届く手紙が軸になる作品テーマに合わせて、手紙にまつわる思い出を聞いてみると、心温まる素敵な話が。
「大人になってからは、手紙を書く機会はないですね。でも毎年、誕生日には母から手紙をもらいます。“生まれてきてくれてありがとう”と、すごく素敵な言葉が書かれていて、……ちょっとテレくさいですけど(笑)。やっぱり、うれしいです」
<出演情報>
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
9月23日(土)ロードショー
※寛一郎は文字と文字の間に半角スペースを入れる「寛 一 郎」が正式な表記です。