2018年から全日本F3選手権のF3-Nに導入される予定の、ダラーラF312シリーズ+フォルクスワーゲンA18-CNエンジンを使用した新型F3-N車両が9月21日、スポーツランドSUGOで2回目のテストを行った。
2008年からF3参戦への門戸を広げるべく導入されたF3-Nは、より一層の安全性とパフォーマンス向上を求め2018年から、昨年までF3で使用されていたダラーラF312シリーズに、フォルクスワーゲンA18-CNエンジンを組み合わせた新型車両が導入される。
すでに7月27日に、全日本F3選手権の第7大会もてぎの木曜専有走行と金曜専有走行のなかでシェイクダウンテストが行われており、その際は木曜に関口雄飛が、金曜に佐々木大樹がドライブ。成功裏にシェイクダウンを終えており、今回のSUGOでは、木曜専有走行を使って「2018年に向けた最終仕様に近い状態」で走行が行われた。
13時30分から3時間で行われたこの日の専有走行では、第19戦/第20戦に参戦する18台のマシンとともに、千代勝正がステアリングを握りコースイン。ピットイン~アウトを繰り返しながら周回を重ねたが、開始から1時間過ぎには、スーパーGTで3回、フォーミュラ・ニッポンで4回のチャンピオン経験を誇る本山哲が乗り込んだ。じつは本山はふだんからスポーツ走行枠を使ってF3をドライブしているというが、こうして全日本F3選手権の専有走行のなかで走るのはひさびさのことだ。
終盤にはふたたび千代がドライブ。合計で74周をこなし、63周目に1分16秒323と、現行F3-Nのベストだった久保田克昭(Planex スマカメ・F308)の1分18秒636を大きく上回るタイムで無事に2回目のテストを終えた。
「自分が担当するメニューはしっかりとこなすことができましたし、テストを無事に終えることができました。F3はやはりスピードもありますし、ダウンフォースもあるので楽しかったですね。個人的にいいトレーニングにもなりました」と千代。
一方、今季はB-MAX RACING TEAM WITH NDDPで高星明誠のエグゼクティブアドバイザーも務めている本山は「今年、高星のことを見ていることもあって、機会があれば乗りたいと思っていた。この新しいF3-Nの開発をB-MAXがやっていることもあり、『どう?』と声をかけてもらった」という。
「クルマはすごく乗りやすかった。でもF3-Nはジェントルマンも乗っているけど、ジオメトリーの関係等で少しステアリングは重い。そこが改善されるともっとそういう人たちも出やすいかもしれないですね」と本山。
なお、この木曜専有走行は逆転王座を狙う坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM'S F317)が終了間際に1分14秒541をマークし最速。ランキング首位の高星明誠(B-MAX NDDP F3)が1分14秒610で2番手に。アレックス・パロウ(THREEBOND)が3番手につけたが、終了間際にレインボー立ち上がりでストップを喫している。