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マクラーレンF1、ホンダとの別離を悲しむも「チームの信用が地に落ち、最悪の3年間だった」

2017年09月21日 08:31  AUTOSPORT web

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2017年F1を戦っているマクラーレンMCL32・ホンダ
マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、ホンダとのパートナーシップ下で戦った3年、F1で下位から抜け出せないままチームが信用を失っていくという「最悪の状況」だったと語った。マクラーレンとホンダは2017年末をもって提携を解消することをシンガポールGPの週末に正式に発表した。

 マクラーレンとホンダが契約を結んだのは、F1で勝利を収めるには自動車メーカーとのワークスエンジン契約が必須との考えにマクラーレンが至り、ホンダの復帰を望んだからだった。

 2015年からの長期契約の下、フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのチャンピオン経験者ふたりを擁してビッグプロジェクトに臨んだマクラーレン・ホンダだが、初年度2015年に備えたテストの段階からパワーユニットにトラブルが相次ぎ、2015年は合計27点でコンストラクターズ選手権9位に沈んだ。

 翌2016年には状況に改善が見られ、76点を獲得してランキングを6位に上げた。しかし、さらなる向上が期待された3年目の2017年には、再びプレシーズンテストからトラブルが連発。第14戦終了時点で獲得ポイントはわずか17点、ランキング9位と低迷している。


 ブーリエは、Formula1.comのインタビューにおいて、ホンダとの契約を解消するという決断に向かって行った決定的瞬間はいつだったのかと聞かれ、今年のプレシーズンテストの後だったと答えている。

「今シーズンに向けて同意していた目標を彼らは今回も達成できないだろうことが明らかになった。夏までに、このまま続けるか続けないかの決断を下さなければならないと分かった」

 この3年で名門マクラーレンは信用を失ってしまい、まさに最悪の状況に陥ったとブーリエは述べ、ここから立ち直るには時間がかかるとの覚悟を示した。

「過去3年を振り返れば、チームの信用、そして新しいスポンサーを獲得するという面でまさに最悪の状況だった」

「長期的な見方をする必要がある。これからの5年で、マクラーレンはふさわしい位置に戻ることができると、私は確信している。復活することで、信用を取り戻し、スポンサーのラインアップを立て直すことができるだろう。それには2、3年かかるかもしれない」

 ホンダから提供される資金を失っても、別れる決断を下さなければならなかったとブーリエは考えている。

「今、我々はランキング9位だ。トップのエンジンを積んでいれば、今、4位だったと思うし、FOMからの分配金で、エンジン側からの資金をカバーできただろう。つまり金銭的な面で大きなリスクはない。株主は勇敢にも、スポーツ面を考え、マクラーレンに傷をつけないような選択をした。彼らは『ホンダが目覚めるまで待とうではないか』と言うこともできたのだ」


 ブーリエは、ホンダとのプロジェクトがうまくいかなかったことを悲しんでいると言い、ホンダが2018年からトロロッソと組み、いずれ成功を収めることを願っていると語った。

「(ホンダと別れることを決めるのは)とても難しかった。我々と同様、彼らは過去の遺産を再現することを目指していた」

「紙の上ではすべてがうまくいきそうだった。だが、やり方が正しくなかったのは明らかだ。幸い、平和的な解決に至った。彼らはこれまでの投資を考え、いずれその見返りを得るべきであると理解している。我々は待つことができない。だが彼らは他の相手と組んで、見返りを得ることができる」 

「彼らがF1にとどまることを決断し、他のチームと契約したことを、非常にうれしく思う。私個人としては、うまくいかなかったことを少し悲しんでいる。しかしこの3年はとてもハードだった」