帝国データバンクは9月14日、人口減少に対する企業の意識調査の結果を発表した。調査は今年8月18日~31日の間に実施。1万265社から回答を得た。
約半数の企業が「人口減少は自社の重要な経営課題」と認識
「日本全体あるいは地域の人口減少が『日本全体』にとってどのような影響を与えるか」という質問に対しては「マイナスの影響がある」が88.7%で最も多い。「自社に対する影響」の質問に対しても78.7%が同様の回答をしており、ほとんどの企業が人口減少による悪影響を懸念している。日本全体、自社ともに「プラスの影響がある」と答えた企業は1割もいなかった。
「自社の経営において、人口減少をどう捉えているか」と聞くと、「重要な経営課題である」が45.7%でトップ。一方で、「経営課題ではない」は13.0%にとどまる。地域によって認識は異なっているようで、過疎化が進む秋田県や福島県では「重要な経営課題である」の回答率が高く、減少幅が小さい東京都や沖縄県では低かった。
「人口減少に対して現在とっている対応策」を聞くと、「高齢化に対応した商品・サービスの開発・拡充」が17.5%で最も多く、「労働力人口の減少に対応した商品・サービスの開発・拡充」(12.7%)、「国内の店舗網・販売先等の拡大・充実」(11.9%)が続いた。
人手不足を補う技術開発やノウハウの蓄積・継承を進めることが大切
「対応策を実施で、どのようなことが阻害要因になるか」を質問すると、「人材確保」が75.5%と、「販路拡大」(32.2%)、「技術開発・研究開発」(19.1%)を大きく引き離している。
業界別に見ると、「運輸・倉庫」、「農・林・水産」、「建設」では「人材確保」という回答が8割を超えていた。人手不足が深刻化していると見られる。
こうした結果を受けて帝国データバンクは、「人手不足を補う技術開発やノウハウの蓄積・継承を進めるとともに、企業が実施する対応策の阻害要因を取り除く政策がカギになる」としている。