9月16日に決勝レースが行われたWEC世界耐久選手権第6戦オースティンで、ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ組98号車アストンマーチン・バンテージがLM-GTE Amクラスを制したが、この勝利でイギリスの名門・プロドライブが結成から通算300勝を達成した。
アリ・バタネンのコ・ドライバーとして活躍したデイビッド・リチャーズが結成したプロドライブは、ロスマンズの強力なバックアップのもと1984年に、中東ラリー選手権開幕戦のカタールラリーでポルシェ911 SC RSで優勝。これがチームとしてプロドライブの初勝利となった。
その後、プロドライブはロスマンズとのパートナーシップは継続され、MGやBMWでラリーに挑戦。1987年にはBMW M3でコルシカラリーを制し、初めてのWRC世界ラリー選手権での優勝を獲得。また、BMWではBTCCイギリスツーリングカー選手権にも挑戦した。
プロドライブの知名度が日本で飛躍的に上がったのは、1990年からスタートしたスバルとの関係だろう。参戦当初はロスマンズカラーのレガシィで参戦。バタネンやコリン・マクレーがレガシィ、そして555カラーに変更された1993年からはインプレッサでWRCに挑戦。90年代中盤にマクレー、カルロス・サインツらを擁し、トップチームとして君臨。スバルの世界的知名度向上に大きく貢献。その活躍はリチャード・バーンズ、ペター・ソルベルグらを擁した2000年代にも続いている。
一方で、BTCCでの活動をはじめサーキットでも多くの勝利を積み重ねた。ホンダ・アコードやフォード・モンデオといった車種での参戦、また2000年代からはGTレースにも参戦をはじめ、プロドライブが仕立てたフェラーリ550マラネロは数多くの勝利を積み重ねた。現在プロドライブはアストンマーチンでのWEC活動を中心に、ラリーやラリークロス用マシン等を数多く開発。今後もトップチームとして君臨を続けていくことになりそうだ。