2017年SBK第10戦ポルトガル レース1表彰台 SBKポルトガル・ラウンドのレース1で、デイビスとメランドリがダブル表彰台を獲得、レース2ではメランドリが3位フィニッシュ
2017スーパーバイク世界選手権(SBK)第10戦のポルトガル・ラウンドが、アルガルベ・インターナショナル・サーキット(ポルティマオ)で開催された。Aruba.it Racing - Ducatiチームのチャズ・デイビスは、レース1を2位で終えたものの、レース2では2番手走行中にクラッシュ、リタイアを喫した。チームメイトのマルコ・メランドリは、レース1、2ともに3位でフィニッシュした。
レース1
デイビスは9番グリッド、メランドリは5番グリッドからのスタート。二人は先頭集団でバトルを楽しみ、レース半ば以降はそれぞれのポジションを守る戦いを強いられながらも2位と3位でチェッカーを受けた。これでデイビスは5戦連続、メランドリは2戦連続の表彰台フィニッシュとなった。
レース2は、レース1のリザルトに基づくリバースグリッドとなるため、デイビスとメランドリのスタート順は、それぞれ8番、7番グリッドとなる。
レース1のコメント
チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – 2位
「正直に言って、これが今日の最良のリザルトだと思う。レイ(ジョナサン:カワサキ)は完全に異次元の世界にいたが、レースに向けて自分自身のペースには自信があった」
「良いスタートが切れて、オープニングラップの最初の数コーナーで5つもポジションを上げることができた。だが、レース半ばを過ぎた頃から、マシンフィールがしっくり来なくなった。ちょっと危ない場面もあったし、それほどハードにライディングしていない時にも限界に達しているような感覚だった。その時点で、マルコ(メランドリ)とはそれなりに差があったものの、トップのマシンに追いつける感触もなかった。そこで敢えて自分のスタイルに徹して、レース2に向けて何かできることがないか探ることにした」
「自分自身とマシン・パッケージのすべてを引き出して進歩するためには何をしたら良いのか、それを理解しなければならない」
マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – 3位
「タフなレースだった。ここまでタイヤの使い方にポイントを置いてきたのだが、その成果が活かせなかった。安全を最優先にしたものの、そのせいでエレクトロニクス・セットアップに問題が出てしまった」
「特にパワーデリバリーとエンジンブレーキが問題だった。思ったようにプッシュできず、グリップ不足にも悩まされた。キャミア(レオン:MVアグスタ)が再び追いついてきたのがわかったので、ミスをせずに100パーセントで走ろうと懸命に頑張った。レース2に向けてマシンを進化させなければならない。少なくともチェッカーまで、チャズとやり合えるレベルにしたい。このサーキットはオーバーテイクが難しいので、とにかく良いスタートを切ることが肝心だ。マシンの強さが活かせるところだから、自信はあるよ」
アーネスト・マリネッリ(スーパーバイク・プロジェクト・ディレクター)
「ダブル表彰台は上々の出来だ。レイにはまったく手が届かなかったが、スーパーポール(予選)で苦戦を強いられたことを考えると、今日のチャズとマルコのパフォーマンスに満足すべきだろう」
「チャズは、タイトル争いに向けて重要なポイントを獲得し、マルコも堅実なレースを見せた。ディテールにファインチューンを加えて、明日のレースで優勝争いができるレベルに引き上げる必要はあるが、どの問題を修正すればよいか分かっているし、いくつかのセットアップ変更についても確認済みだ。明日のウォームアップでその成果を評価する」
レース2
9番グリッドからスタートしたメランドリは、ブレーキング中にある種の違和感を覚えながらも表彰台圏内の3位までポジションを上げることに成功。レース1から着実な進歩を遂げてレース2を迎えたことを証明した。
一方のデイビスは、残念な結果となってしまった。3列目から力強いスタートを切ったデイビスは、素晴らしいオーバーテイクでファンを魅了しながら2番手まで順位を上げた。3位以下に十分なギャップを開けたものの、残り3周となったターン2でクラッシュ、リタイアを余儀なくされた。
第10戦終了時点のランキングは、296ポイントのデイビスが3位、250ポイントのメランドリが4位につけている。Aruba.it Racing - Ducatiは、9月18日に行われる公式テストに参加する。第11戦フランス・ラウンドは、9月29日~10月1日にマニクール・サーキットで開催される。
レース2のコメント
マルコ・メランドリ(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#33) – 3位
「チームが素晴らしい仕事をしてくれた。パニガーレRは、昨日以上の戦闘力を発揮してくれた。特にグリップレベルの向上が抜群だったので、今日のリザルトは嬉しい。しかし、レース中にアドバンテージをフルに活かすことができなかったのも事実だ」
「スタートは良かったが、すぐに親指で操作するリアブレーキにトラブルを抱えて、ターン10で大きくアウト側に膨らんでしまった。さらに、ストレートでは、マシンがかなり振られた。何とかポジションを回復しようとしたが、僕らより遅いマシンに手間取ってタイムをロスしてしまった。ファン・デル・マーク(マイケル:ヤマハ)を視界に捉えたが、すでにギャップが大きすぎてどうにもできなかった。明日は安定性の向上に集中する。次のレースでは、再び表彰台の真ん中に立ちたい」
チャズ・デイビス(Aruba.it Racing - Ducatiスーパーバイク・チーム#7) – リタイア
「みすみす表彰台を逃してしまった。こんな風にレースを終えるのは本望ではない。ペースには問題がなく、限界を超えなくてもレイとのギャップを維持できていた。終盤になって、少しリラックスして、ターン2に入る時にいつもより早めにスロットルを閉めた。それのせいでフロントに荷重がかかり過ぎてしまい、転倒した。クルージング中に、まさかあの場所でクラッシュするとは思ってもいなかったので、僕自身もかなり驚いた」
「とはいえ、今日はレース1から着実に進歩したが、レース終盤の安定性はさらに引き上げる必要がある。明日のテストでは、この辺を中心に作業を進めたい。トム(サイクス:カワサキ)が不運に見舞われたので、ランキング2位との差が縮まった。彼は必ずやり返してくると思うから、終盤はかなり面白い戦いができそうだ。次のレースを楽しみにしている」
ステファノ・チェッコーニ(Aruba S.p.A CEO兼チーム代表)
「2レースで3度の表彰台という結果だが、もっと多くを望んでいたので決してハッピーではない。チーム一丸となって良い仕事をしたものの、このサーキットの特性からか、常に守勢に回らされていた。気持ちを切り替えてしっかりと前を向いて、マニクールでは二人がまたトップ争いができるよう体制を整える」