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世界ラリークロス:クリストファーソン初王座も、ソルベルグが肋骨骨折のクラッシュ

2017年09月19日 17:52  AUTOSPORT web

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新記録の5連勝で初の世界タイトルを決めたヨハン・クリストファーソン
2017年後半戦は無類の強さを見せ、ここまで4連勝のシリーズレコードを樹立していたヨハン・クリストファーソンが、9月17日に開催されたWorldRX世界ラリークロス選手権の第10戦、ラトビア・リガでのイベントで自らの記録を更新する5連勝を決め、シーズン2戦を残して初のワールドチャンピオンを決めた。

 今季ここまでの10戦すべてでファイナル進出を果たし、9度のポディウムフィニッシュを達成するという驚異的な安定感と強さを披露してきたクリストファーソンは、このラトビアでもPSRXフォルクスワーゲンRXチーム・スウェーデンのポロGTI RXスーパーカーで抜群のドライビングを見せつける。

 Q1、Q3、そしてセミファイナル1でもトップタイムをマークすると、ファイナルも圧巻のスピードで制し、昨季王者のマティアス・エクストローム(アウディS1 EKS RXクワトロ)と、9度のWRC世界ラリー選手権王者セバスチャン・ローブ(プジョー208WRXスーパーカー)を下し、見事に今季6勝目を飾った。

「5連勝の新記録でタイトルを決めることができるなんて、信じられない気分だ。これでペター(・ソルベルグ)やマティアス(・エクストローム)に続いて、3人目のラリークロス世界王者になれたんだ。それを実感するには、まだまだ時間がかかりそうだね」と、喜びを語った28歳のクリストファーソン。

「ペターと、僕の父親である(クリストファーソン・モータースポーツ代表の)トミーには本当に感謝している。(現役時代の)父がドライバーとしてトラックに向かうとき、必ず僕を一緒に連れて行ってくれた。そこで家族とチームがどのように機能しているのか学ぶことができたんだ。この素晴らしいPSRXのチームも同じように家族をベースとしたチームであり、ペターと(夫人である)カミラの家族的な空気感が、僕には完璧にフィットしたんだ」

「本当ならこの週末は世界王者になる準備ができていなかった。ペターが決勝にいないなんて考えもしなかったからね。今季の僕らはお互いをプッシュし、僕は彼から素晴らしい知識と経験を授かることができた。彼は心から僕を受け入れてくれ、このタイトルに向けたすべての要素を手助けしてくれた。感謝してもしきれないぐらいだよ」

 そのペター・ソルベルグは、決勝進出を賭けたセミファイナル2のヒートで、ターン1の攻防によりヤニス・ボウムニス(フォード・フィエスタRXスーパーカーEvo.3)のマシンとヒットし、クラッシュ。

 リガ市街の病院に搬送され精密検査を受けた結果、鎖骨と肩こう骨へのダメージに加え、左の肋骨下部2本を骨折。肺にも影響が及んでいるという。

 しかしその他の身体機能に異常はなく、ペターはすぐにリガの病院を後にして母国ノルウェーの医療施設に移動。残る2戦への出場を検討するとしている。

 一方、昨季王者でこのラトビア戦で2位に終わったエクストロームは、新たなラリークロス世界王者を祝福するとともに、残る2戦でペターやローブとのドライバーズランキング争いを望んでいる、と語った。

「まず最初にヨハンにおめでとうを言いたい。僕は彼を本当に小さいころから知っているし、今季最高のドライバーであることを証明した。そのファイティングスピリットは間違いなく、お父さんから受け継いだものだね」

「願わくば、残り2戦はドライバーズランキング2位、3位を、セバスチャンやペターと争いたい。今回のイベントでは4台のアウディS1をセミファイナルに送り込めたし、チームとしては強力な週末になったと思う」

 さらに、ファイナル進出を決めたフーニガン・レーシング・ディヴィジョンのアンドレアス・バッケルド(フォード・フォーカスST RXスーパーカー)が4位。地元ラトビアのファンを沸かせた母国出身のボウムニスが5位。そして2度目のWorldRX参戦となるDTMドイツ・ツーリングカー選手権レギュラー、ニコ・ミューラーのアウディS1 EKS RXクワトロが、早くもファイナル進出を果たし6位フィニッシュという結果に終わっている。

 次戦、第11戦となるドイツ・エステリングでのイベントは、1週明けた10月最終週の開催となっている。