決勝レースは、今季から新しく加入し、過去にEWCのタイトルを持ち、ボルドールやルマンでも活躍しているフレディ・フォレイがスタートライダーを務めた。フレディは序盤から積極的な走りで17周目にはトップに浮上、その後もセーフティカーが何度も介入する中で、次第にトップ争いは、#5F.C.C. TSR Honda Franceと他の2チーム、いずれも耐久レースの有力チームに絞られていった。
同一周回はこの3台のみとなり、3チームは自らのピット作業を繰り返すたびに、順位を入れ替えながら1周、また1周と周回を重ねていった。さらに1台がトラブルで遅れてからは、#5F.C.C. TSR Honda Franceと昨年のチャンピオンチームGMT94 YAMAHAの2台による争いに変わった。もちろん、長丁場の24時間耐久レースのため、多少順位が後退しても挽回するチャンスは数多くある。順位を落としてトップ争いから脱落したチームも、じわじわと順位をことは、しばしばある。
この攻防は中盤の8時間経過する前後から、577周目にF.C.C. TSR Honda Franceのアランが転倒して大きく順位を下げる残り数時間程度の頃まで続いた。アランは今年年初のオフシーズンテストで負傷し、母国フランスでの治療を余儀なくされていた。
この結果、F.C.C. TSR Honda Franceは残り3時間半のところで、トップから急転直下、最高8位まで順位を落とした。しかし、その後はフレディとジョシュの2人体制によりレースに復帰。順位が落ちたと言ってもまだ8位。挽回は可能だとチーム一丸となってレースを続けた。
結果、F.C.C. TSR Honda Franceは、初陣となるHonda Franceの地元での伝統的な24時間レースで6位でチェッカーを受けることができた。チャンピオンシップポイントは19。さらには、24時間レースに与えられる、8時間毎(8時間経過時点と16時間経過時点)のボーナスポイント各9点も加えれば、37ポイントを獲得した。
これは、昨シーズンのこの大会よりも大きい数字である。優勝できなかったのは悔しいが、壁は高い方が崩しがいもあるし、しっかりポイントを獲得できたことを考えれば、今季から新たにEWC年間タイトルおよび鈴鹿8耐での優勝に挑戦するコラボレーション、F.C.C. TSR Honda Franceのチャンピオンシップの出だしは、まずは順調だったと確信している。
◆F.C.C. TSR Honda France総監督/藤井正和のコメント 「昨シーズンがEWCランキング4位だったが、今年はそれ以上、あるいは年間チャンピオン獲得を視野にいれてEWCに臨んでいる。もちろん優勝できれば、それに越したことはないが、チャンピオンシップポイントは得られた上々のスタートだったと思う」