ブランパンGTシリーズ・スプリントカップ最終戦の決勝レースが9月17日、ドイツ・ニュルブルクリンクで行われ、チームWRTの17号車アウディR8 LMS(ロビン・フラインス/スチュアート・レオナルド)が優勝した。
ブランパンGTシリーズ第9戦として行われたスプリントカップ第5戦。ドライバーズポイント60点、ランキング首位で最終戦を迎えたHTPモータースポーツの84号車メルセデスAMG GT3(フランク・ペレラ/マキシミリアン・バーク)は、前日に行われた予選レースを2番手で終える。
しかし、トップチェッカーを受けたGRTグラッサー・レーシングチームの19号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(エゼキエル・ペレス・コンパンク/アンドレア・カルダレッリ)はレース最終盤のシケインカットがペナルティの対象となり、レース結果に別途ペナルティ分の1秒が加算された。
この結果、0.383秒差で2番手となった84号車メルセデスが逆転優勝。選手権ポイントを68点に伸ばし、3位に入ったランキング2番手のベルジャン・アウディ・クラブチームWRT、5号車アウディWRT(ドリス・バンスール/マルセル・ファスラー)とのポイント差を7に広げた。
17日の決勝レース前半は、ポールポジションからスタートした84号車メルセデスのペレラがトップをキープ。スタートから26分、3番手から2番手にポジションを上げたファスラーの5号車アウディがアンダーカットを狙い、ピットウインドウ・オープンとほぼ同時にピットインした。
対する首位84号車メルセデスは前半スティントをやや引っ張り、スタートから32分にピットイン。迅速な作業でコースに戻りたい84号車メルセデスだったが、左フロントタイヤの装着に手間取り、約3秒タイムロス。この間にファステストラップを記録するなど、猛プッシュをみせる5号車アウディのバンスールに首位の座を明け渡してしまう。
2番手に後退した84号車メルセデスはその後、5号車アウディを追いかけるなかで左フロントタイヤがパンク。たまらず最終コーナーでグラベルに飛び出したバンスールは、レース続行を諦め2コーナーでマシンを停めてしまった。
ランキングトップのリタイア、自車の首位浮上によりチャンピオン獲得を大きく手繰り寄せた5号車アウディだったが、ピット作業時にクルーのひとりがインパクトレンチにつながるエアホースをリヤウイングに引っ掛けて転倒。
このクルーが作業エリア外に退去する前にマシンを発進させた件について、レースダイレクターはピット作業違反と判断。5号車アウディにドライブルスルーペナルティが課せられた。
トップに立ったランキング上位車が相次いで脱落するなかランキング3番手につけ、決勝レースを6番手グリッドからスタートした17号車アウディはレース中盤、フラインスが19号車ランボルギーニを駆るカルダレッリを交わして4番手に。
84号車メルセデスの離脱で3番手に浮上すると、フラインス駆る17号車アウディはベルジャン・アウディ・クラブチームWRTの2号車アウディR8 LMSをドライブするマーカス・ウィンケルホックをも攻略し、2番手となる。
そしてレース残り15分、5号車アウディがドライブスルーペナルティを受けたタイミングで首位に浮上すると危なげない走りのままチェッカーを受け、2017年のスプリントカップ最終戦で決勝レース初優勝を達成。
それと同時にランキング3番手からランキング上位2台を抜き去り、スプリントカップ・シリーズチャンピオンを獲得した。ランキング2位はレースでも2位となったウィンケルホック/ウィル・スティーブンス組の2号車アウディ。ランキング3位はレース前まで首位に立っていた84号車メルセデスのペレラ/バーク組となった。
なお、チームランキングでは1号車アウディ/2号車アウディ/5号車アウディを擁するベルジャン・アウディ・チームWRTが、3号車アウディと17号車アウディの2台体制で参戦するチームWRTを9点差で破ってタイトルを獲得している。
2017年シーズンのブランパンGTシリーズ第10戦は9月30~10月1日、スペイン・バルセロナで開催。エンデュランスカップ第5戦として行われる同レースでブランパンGTシリーズチャンピオンおよびエンデュランスカップのシリーズチャンピオンが決定する。