9月19日、東京・お台場のMEGA WEBで開催されたトヨタの新スポーツカーブランド『GR』の発表会後、報道陣の囲み取材に応えた豊田章男トヨタ自動車社長は、WEC世界耐久選手権の2018年以降の活動について触れた。
トヨタは今季、いまだ勝利を得ることができていないル・マン24時間に3台体制で参戦し、豊田社長が現地を訪れるなか、小林可夢偉のドライブでポールポジションを獲得するなど勝利に近づく活躍をみせたが、多くの不運により、勝利を得ることができなかった。
そんなWECだが、2017年限りでライバルであるポルシェが活動終了を発表。WEC自体も変則の2018-19シーズンの開催予定や過渡的なレギュレーション発表を行うなど、シリーズ全体が揺れており、トヨタが活動を継続するのか否かの注目も集まっていた。
この日の記者発表会で、WECの活動について質問が飛ぶと豊田社長は「今年のル・マンでは、トヨタ、ポルシェとも24時間をしっかりと走り切れたクルマはいない。できれば今度はしっかり走りきりたいとは思っています。ただ私は権限がないのでどうするかは友山(GRカンパニー代表)次第ですが(笑)」と語った。
一方、話を向けられた友山茂樹GRカンパニー代表は、「できれば最高峰のLMP1クラスで出場したいと思っていますが、社長決裁次第でしょうか(笑)」とコメント。TOYOTA GAZOO Racingとしては続けたい意向がありつつも、まだ“本決まり”ではないことをうかがわせた。
ポルシェが撤退する来季以降は、ハイブリッドのメーカー参戦車両はトヨタだけとなり、プライベーターを相手とした戦いになる。トヨタがその戦いを続けるのか、大いに注目のポイントと言えるだろう。