スーパーカーレース:2017年 第3戦/第4戦 レースレポート スーパーカーによる究極のエンターテイメント集団『CARGUY』を新たなパートナーとして、4シーズン目を迎えることとなった2017 CARGUY SUPER CAR RACE。富士スピードウェイを舞台に2大会・全4戦で開催、その第2大会が9月16日(土)・17日(日)に行われ、予選と第3戦決勝レースが9月16日(土)に実施された。
専有走行が行われた15日(金)は、コンディションに恵まれたものの、近づく台風の影響で未明のうちから天気は一気に悪化、早朝から路面は絶えず濡れたままとなり10時15分からの公式予選には、全車がウェットタイヤを装着して挑むこととなった。
今回のエントリーは、前回の11台から4台増えて15台に。その中で最も話題を集めていたのは、プレミアムクラスに初めてのエントリーがあったことだ。世界に24台、アジアでは1台だけというアストンマーチン・バルカンを三浦陽成が持ち込み、中納徹とともにデモランだけでなく、実際にレースでも走らせることとなったのだ。
サーキットを走るためだけに作られたマシンの様子は、まさに威風堂々。そのポテンシャルを遺憾なく発揮してもらいたいところだが、あいにくのコンディションでどれだけの走りが見られるのかにも期待をするところだ。
なお本来ならば、予選はAドライバーが担当することとなっているが、今回はコンディションを考慮してBドライバーでも担当してもいいよう、急きょ改められた。
ちなみにスタートも同様。降りしきる雨を思えば、早めの変更は大正解だったと言えるだろう。最初にタイミングモニターの一番上に名前を記したのは、YJHD HURACAN ST の中西一起/ケイ・コッツォリーノ組だった。
早めのアタックが功を奏し、素早く1分51秒台に乗せたものの、その直後に逆転してトップに立ったのはCARGUY RUF HURACAN GT3の木村武史。その後も週を重ねるごとタイムを縮めていき、ラストアタックでは1分50秒305にまで到達、ラストアタックでM2 Corse HURACAN GT3の松下正人/林裕介組が2番手につけたものの、木村とコンマ423秒もの差をつけることとなった。
「後半の方が少しコンディションが良くなっていったのと、タイヤの内圧がなかなか上がらなかったことが逆に幸いして、徐々にタイムが伸びていきました。途中でドライバーのテンションがどんどん上がってきて、少しオーバーランしているんですよ。それがなかったら、(1分)49秒台に入れられる感じはあったので、ちょっともったいなかったですね。GT3は雨になるとダウンフォースが効いている分、他よりも有利になるので、その利点を使って優勝したいと思います」と木村。
なお、今回からランボルギーニ・ウラカン・スーパートロフェオ(ST)はGT3クラスに取り入れられることとなり、ウラカンGT3勢はフロントローを独占。3番手以降にYJHD HURACAN STを筆頭としてウラカンST勢が3台並び、KSD RACING SLS GT3の佐藤元春/平中克幸組をしっかり押さえ込んでいた。
総合7番手は、CUP1クラスのKSD RACING 458CHPを駆る、大湯都史樹が獲得。普段はFIA-F4に挑む期待の若手ドライバーにとって、屋根のついた車両でレースするのは、これが初めてとなる。1分54秒663をマークし、クラスの異なるチームメイトのKSD RACING SLS GT3 にも1秒と遅れず。
「今回、Koshido Racingさんのお誘いで乗らせていただいて、マシン自体もすごくいいですし、なおかつ僕にとって初めての『ハコ』のレースなのですが、楽しみながらレースさせてもらっています。難しいコンディションでしたが、ドライビングでカバーできて良かったです。決勝でもしっかり上位を走って、見てくれる方に楽しんでもらえるようなレースをしたいです」と大湯。
総合8番手、クラス2番手はCARSCASOアネックス997GT3CUPの肥後聡彌が獲得した。そして総合9番手、GT4/N1クラスのトップはR9オートセレクトレーシングのR34スカイラインGT-Rを駆る片岡昇が獲得。TCR車両のBRP★Audi RS3 LMSを駆る奧村浩一/須田力組を僅差で抑えていた。
「ドライで走りたかったですね。雨なので仕方ないんですけど。とりあえずニュータイヤなので全開で行こうと。頑張りました(笑)。決勝ではくるくる回らないように頑張ります」と片岡。
注目のVulcan 08は総合11番手に留まっていた。今回は決勝レースにもレギュレーションの変更があり、従来は30秒間とされたタイムハンデ、すなわちピットでの義務づけられたストップ時間がGT3クラスを除き、一律45秒間に改められた。これはドライバーふたりで挑むチームに、余裕を持って交代してもらうための配慮である。
また、GT3クラスに関しては車両性能の均一化をはかるため、ウラカンGT3の2台は91秒間に、ウラカンST勢はプラチナドライバーに対するハンデ15秒間を加えた71.5秒間とされた。その一方でメルセデスSLS AMGに関してはプラチナドライバーに対する15秒間を含めても45秒間とあって、最大の46秒の違いが生じることとなった。
これが決勝結果にどう影響を及ぼすか注目された。決勝レースに先駆け、マクラーレンP1とアストンマーチン・バルカンによる、デモランが実施された。咆哮なエキゾーストノートを上げてストレートを駆け抜ける様子に、観客も大興奮の様子だったが、降りしきる雨は一向に止む気配がなかったことから、大事をとってバルカンは残念ながら決勝への出場を取り消すこととなった。
さらにレースはセーフティカー(SC)スタートでの開始が決定。これに慌てたのは、プラチナドライバーを充てていたチームだった。第3戦は40分間で争われるが、ドライバー交代はスタートから15~25分間のうちに行わなくてはならない。その貴重な時間をSCランで抑えられてしまうからだ。
3番手スタートのYJHD HURACANがコッツォリーノを、4番手スタートのYuukiJapan GROUP HURACAN STが横溝直輝をスタートドライバーに起用していた。そして、それ以上の衝撃が……。グリッドに着くためピットを離れたCARGUY RUF HURACAN GT3が、なんとコース脇にストップしているではないか!
「僕自身もよく分からないんですが、急にエンジンがまったく吹けなくなって」と木村。
メインスイッチのオンオフでは対応しきれず、マシンは牽引されてピットに戻ってくる。木村にとって不幸中の幸いだったのは、ピットですぐ対応されてエンジンは再び息を吹き返したことと、ピットスタートであってもSCランのおかげで周回遅れにならずに済んだことだ。
SCランは4周にわたって行われ、ようやくスタートした時にはすでに10分間が経過。リスタートを決めてM2 Corse HURACAN GT3の林は、トップで1コーナーに飛び込んだものの、続くコカコーラコーナーでオーバーラン。なんとかポジションは保ったものの、横溝とコッツォリーノをより近づけることとなってしまう。
特に2番手に浮上したばかりの横溝は勢い十分。7周目には林をかわしてトップにも躍り出る。そして、それとほぼ時を同じくしてピットロードがオープンに。6周目にすかさず飛び込んできたのは、5番手を走行していたKSD RACING SLS GT3の佐藤で、素早く平中へとスイッチ。
次の周には4番手を走行していたHOJUST HURACAN STの落合俊之も松本武士と交代する。残る3台のGT3クラス勢は十分にリードを稼げぬまま、9周目にYuuki Japan GROUP HURACANST、M2 Corse HURACAN GT3はピットに入らねばならず、YJHD HURACAN STも10周目にピットクローズド45秒前に入ってなお、大きく順位を落とすことに……。
代わってトップに立ったのは、もちろんKSD RACING SLS GT3の平中。タイムハンデにも助けられ、HOJUST HURACAN STの松本にも大差をつける。しかも、その間にはKSD RACING 458CHPの大湯さえも。松本は4周をかけて大湯を攻略するが、すでに20秒以上の差がついていたこともあり、ポジションキープに徹することとなった。
一方、ドライバー交代直後はファステストラップとなった、1分52秒143というハイピッチで飛ばしていた平中ながら、終盤に勢いを増した雨は、1分58秒台で走るのをやっとという状況にもした。そんな悪条件にアクシデントも連発。
14周目の1コーナーでYJHD HURACAN STの中西が1コーナーでコースアウト、同じ周のダンロップコーナーではYuuki Japan GROUPHURACAN STの永江信崇がスピンを喫し、マシンにダメージを負ってしまう。
そんな過酷な状況を物ともせず、18周を走り抜いた KSD RACING SLS GT3が初優勝。2 位はHOJUST HURACAN ST が 24秒差ながら獲得した。そして総合3位はKSD RACING 458CHPが獲得するとともに、CUP1クラスの優勝も飾ることとなった。
総合4位はCARGUY RUF HURACAN GT3が獲得。ペースでは上位の2台と優るとも劣らなかったが、SCラン後のリスタート時にトップとは13台を挟んでいたことが痛手に。木村が激しい追い上げを見せてなお、表彰台に立つのがやっとだった。
一方、GT4/N1クラスでは、R9オートセレクトレーシングの片岡がトップチェッカーを受けたが、最後までピットに入らなかったため3周減算のペナルティが課せられ、クラス5位に降格。終始危なげない走りを見せていた、BRP★Audi RS3 LMSが初優勝を挙げている。
なお、17日(日)に行われる決勝レース第4戦は、第3戦のベストラップ順にグリッドが決められるため、ポールポジションにはKSD RACING SLS GT3の佐藤/平中組が着くことに。果たして連勝なるか、大いに注目されるところである。
またポイントランキングでは依然として3位ながらも、トップをキープしたCARGUY RUF HURACAN GT3との差を一気に4ポイントにまで詰めてきた。さらに間に挟んだM2 Corse HURACAN GT3との差も、わずか1ポイントに縮めている。
優勝コメント
総合優勝&GT3クラス優勝『KSD RACING SLS GT3』
佐藤元春
「ようやくスーパーカーレースに出て、平中さんのおかげでもあるんですけど、優勝できて良かったです。わざわざ北海道から出て来た甲斐があります。コンディションは厳しかったのですが、今日はちょうどその前にVITAのレースにも出ていたので、コンディション自体は慣れていたので、自分のペースを維持して平中選手にバトンタッチできたので、良かったです。明日も頑張りますので、よろしくお願いします」
平中克幸
「正直、面白かったです。すごく危ないコンディションだったんですけど、その中でもすごく安定したし、乗っていても楽だったし。途中どうなるか分からない作戦だったんですけど、セーフティカーで長いこと引っ張ってくれたおかげで、これは僕に代わって数周した時点でトップ立つな、というのが分かったので。あとはその中で、どれだけ自分がプッシュできるかっていう感じでした。楽しかったです」
CUP1 クラス優勝『KSD RACING 458CHP』
大湯都史樹
「序盤ちょっとフロントだけじゃなく横もガラスが曇って前にが見えにくくて。そんな状態で2周ぐらい走って、だいぶペースが悪かったんですけど、急きょピットインして拭いてからのペースはすごく、いい感じで走れていたと思います。みなさんが苦しんで走っている中、内圧とか決まって走れていたので、そういった中でも総合で3位を獲れたのは、すごく良かったと思います。クラスでは1位獲れましたし、すごく良かったです」
GT4/N1 クラス優勝『BRP★Audi RS3 LMS』
奧村浩一
「前回はポルシェさんに勝てなかったので、良かったぁ。いや、本当にリベンジできて良かったです。今日は相棒が初めてアウディ乗る方なので、いい練習をしてもらいました。来年のうちのドライバー候補です」
須田力
「奥村さんに誘っていただかなかったら、こんな素晴らしいマシンに乗る機会はありませんから、初めてのレースでとても緊張しましたけど、めちゃめちゃ楽しめました。怖いけど、楽しかったです。今まではタイムアタックばっかりで、しかもナンバーつきしか乗ったことがなかったんです。初レースで勝てるなんて、もう最高です!」
2017 CARGUY SUPER CAR RACEの第4戦決勝レースが、富士スピードウェイを舞台に9月17日(日)に開催された。前日に続いてあいにくの空模様にはなったものの、レースは非常に白熱し、大いに盛り上がりを見せていた。
第4戦のスターティンググリッドは、第3戦のベストタイム順に決定。そのためポールポジションはファステストラップを記録した、佐藤元春/平中克幸組のKSD RACING SLS GT3が獲得することとなった。なお佐藤組は第3戦で優勝しているため、タイムハンデ15秒間が追加され、ピット停止時間は75秒に。
2番手には落合俊之/松本武士組のHOJUST HURACANがつけ、第3戦で2位だったため、タイムハンデ10秒が追加されて停止時間は81.5秒間に。3番手につけたのはCARGUY RUF HURACAN GT3の木村武史で、やはり3位でゴールしていたことからタイムハンデ5秒間が追加され、停止時間は96秒間となっている。
CUP1クラスのトップで、7番手でスタートを切るのはKSD RACING 458CHPの大湯都史樹。第3戦でクラス優勝を飾っているため、タイムハンデ15秒間が加算され、ピット停止時間は60秒間に。これに続く8番手もCUP1クラス2位だった、CARSCOSOアネックス997 GT3CUPの肥後聡彌。10秒間追加されて停止時間は55秒となった。
そして、GT4/N1クラスのトップとして、本来9番手からスタートを切るはずだった、R9オートセレクトレーシングの片岡昇はデフトラブルのため、決勝を前に敢無くリタイア。10番手スタートとなるBRP★Audi RS3 LMSの奧村浩一/須田力組は、優勝のタイムハンデが追加されて55秒の停止となる。
なお、Nissoku 86の川島直弥/原嶋昭弘組も、マシントラブルのため決勝を前にリタイアとなっている。前日に引き続き決勝のスタート前には、アストンマーチン・バルカンとマクラーレンP1によるデモランが行われ、観客を大いに喜ばせた。ただし、バルカンはコンディションを考慮して、残念ながら決勝出場は叶わなかった。
50分間で競われる第4戦決勝は、第3戦時ほど雨は強くなかったことから、セーフティカースタートではなく、通常のローリングスタートで開始された。スタート直後に絶妙のダッシュを決めたのは、5番手YJHD HURACAN STを駆るケイ・コッツォリーノ。
ポールスタートの平中に1コーナーで早くも迫る勢いを見せたが、ここでの逆転はならず。しかし、コッツォリーノは平中に1周ピタリと背後について2周目のストレートで並び、1コーナーまでに前に出ることに成功。
ここからパートナーの中西一起にマージンをプレゼントすべく、一気にスパートをかけるはずが、続く平中もしっかり食らいついて離れない。そればかりか、11周目の13コーナーで平中に抜き返されてしまう。一方、序盤の3番手争いも大いに白熱していた。
HOJUST HURACANの落合がリードするも、CARGUY RUF HURACAN GT3の木村が食らいついて離れず。2車両のデッドヒートが高まり、やがてYuuki Japan GROUP HURACAN STの横溝直輝、M2 corse HURACAN GT3の林裕介も加わり、4台が一列に連なり合うこととなった。
なかなか前に出ることが許されない状況に対し、木村は10周目にピットに入るも、それがピットウィンドウオープンより、やや早めだった印象も……。3番手を争っていた他の3台は11周目にピットイン。逆にトップを争っていた2台が、ドライバー交代をギリギリまで遅らせたのは言うまでもない。
先に入ったのは2番手のYJHD HURACAN STで、14周目に中西と交代。次の周にはKSD RACING SLS GT3も、残り1分間の段階で佐藤と交代。その結果、佐藤はトップをキープ、これに続いたのは、木村だった。しかしながらタイム差は23秒にも達していたが、ペースに優るのは木村。
さらに17周目に3番手に浮上していた、HOJUST HURACANの松本も佐藤よりもペースが優っており、いずれ一線上に並ぶものと予想された。だがしかし、18周目にCARGUY RUF HURACAN GT3に対し、無情の宣告が下された。ピットに入るタイミングがわずかに早く、ペナルティとしてドライビングスルーが命じられたのだ。
これにより、HOJUST HURACANが2番手に浮上。その時点での3台の間隔は23秒、26秒となった。必死に逃げる佐藤、それを追う松本、さらに木村。ゴールまで残り3分を切った23周目には、それぞれの間隔が約4秒差に。その最中にバックマーカーが現れたからたまらない。
明らかに進路を譲ろうとはしているのだが、そこは追い越し困難なセクター3。だが、レクサスコーナーで松本がトップに浮上、続いて木村も佐藤に迫ろうとしていた。なんと言うことか、最終コーナーを立ち上がるとCARGUY RUF HURACAN GT3の木村がスローダウン!直後にマシンを止めた木村。
これでHOJUST HURACANが初優勝、そして連勝とはならなかったものの、KSD RACING SLS GT3が2位でゴール。また後続とは大差をつけていたこともあり、チェッカーこそ受けられなかったものの、CARGUY RUF HURACAN GT3は3位を獲得した。
「ゴール直前の300mでガス欠みたいになっちゃって、『ノーパワー!』って言える気持ちが分かりましたよ(苦笑)。プロの方がうまく走ってくれたので、僕らは性能のいいクルマに乗れて、いいバトルができたので楽しかったです」と木村。
しかし、その結果、KSD RACING SLS GT3と同ポイントで並び、しかも入賞回数まで一緒だったものの、シリーズ規定に基づき、『プラチナドライバーが組み合わされていないこと』が優先されることに。木村がチャンピオンに輝くこととなった。
敗れたとはいえ、佐藤は「性能調整なしのスーパーカーのレースって、ここだけしかないので自分としては北海道から来て、思う存分楽しめましたから満足です。天候は悪かったですけど、また次回開催されるなら、また参加して頑張りたいと思います」と爽やかな表情で語っていた。
2台での戦いとなったCUP1クラスは、スタート直後からKSD RACING 458CHPの大湯都史樹がトップを快走、GT3クラス勢を追い回すほどの勢いを見せていたが、実はフォーメイションラップの頃からギヤトラブルに苦しめられ、「最後は4速ホールドにまでなってしまって」、7周目にはピットに戻ってリタイアを余儀なくされた。
これでトップに躍り出たのは、CARSCASOアネックス997GT3CUPの肥後だ。ライバル不在の状況の中で、全く危なげない走りを見せ、総合6位でフィニッシュ。嬉しい初優勝を飾ることとなった。GT4/N1クラスではBRP★Audi RS3 LMSが、終始トップを譲らず。スタートを担当した奧村が築いたマージンを、後半担当の須田がしっかり守り2連勝を飾ることとなった。
2位はWISE-1ポルシェGT3の佐藤賢一が獲得、さらにトヨタ86同士の3番手争いでは、S.T Racing 86の高屋敷愉が7周目の2コーナーでのスピンによりリタイアしたため、最後まで走り抜いた86RACER'S 86の呉良亮が制することとなった。
優勝コメント
総合優勝&GT3クラス優勝『HOJUST HURACAN』
落合俊之
「スタートからしばらくは、僕があまりペースを上げられなくて、もうちょっと着いていけるかなと思ったんですが、予想以上に離されてしまいました。まぁ、結果的に木村さんもドライビングスルーペナルティを受けたので、ちょうどよくなったかな、という感じですね」
「もちろん優勝できて、めちゃくちゃ嬉しいです。『まさか』という感じです。自分が代わった時はちょっと厳しいかな、と思っていたので、さすが(松本は)プロですね。感謝しています」
松本武士
「出て行ってすぐGT3の木村さんが後ろにいたから、これはなんとか抑えなきゃと思っていたら、こっちフロントタイヤ冷えていて、そのままロックしてコカコーラコーナーの芝生に乗っちゃって、クルッと一回転してしまったんですよ。実はそんなこともあって(笑)」
「それを自分で取り返さなきゃと思って、頑張って走った感じです(笑)。最後、無線で『あと何秒』というのを、ずっと教えてもらっていて、なんとか抜いたら許してもらえるかなと思って、追いついたら後ろに木村さんがベタ着きだったから、なんとか(佐藤を)早めに抜いて、間に挟めばなんとかなるかなと思って……。ホッとしました」
CUP1クラス優勝『CARSCAROアネックス997GT3CUP』
肥後聡彌
「ABSなくて、トラクションコントロールなくて、というクルマを選んじゃったんで、このコンディションではかなり怖かったですけど、いつもお世話になっているチームと一緒でしたから、思い切って走りました。(KSD RACING 458CHPがいなくなったことは)実はまったく気がつかなくて」
「割とひとり旅だったんで、無線でもそのことは言ってこなかったんです。それはかえって良かったかもしれません」
GT4/N1クラス優勝『BRP★Audi RS3 LMS』
奧村浩一
「連勝できました!まぁ、勝って当然のレースなので、勝てないとダメなので……」
「でも、今回は来年のS耐のドライバーオーディションのようなものなので、しっかり雨の中走ってもらって、いい候補を見つけることができました。僕自身は楽しくレースすることができて、本当に良かったです」
須田力
「奧村さんとバースレーシングに感謝です。いいクルマで走らせていただきました。初めて乗ったクルマで、あまりよく分かっていなかったんですが、とにかく無茶しないで、いつもどおり冷静に淡々と。今後につながりそうです。今週はVITAとのダブルエントリーだったのですが、ものすごく勉強になりました。今後のレースに、今週のことを結びつけていきたいと思います」