トップへ

元カレ「プレゼント返せ」今カノと母親も加勢して「攻撃」、これって犯罪では?

2017年09月18日 09:42  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

別れた彼氏から「君のために70万円も借金した。プレゼントや、旅行にかかった費用を返せ」という連絡がきたーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにこのような相談が寄せられました。


【関連記事:ビジネスホテルの「1人部屋」を「ラブホ」代わりに――カップルが使うのは違法?】


相談者によると、このような金銭の要求は元彼本人にとどまらず、現在の彼女や元彼の母親からも毎日のようにくるそうです。


元彼側は、「クレジットカードの履歴に、あなたのために使ったと思われるものが出てきたら、全て請求する」と主張。また、証拠となるLINEのトーク履歴が互いに消えていることから、借金をした消費者金融の明細書を根拠とするそうです。


交際期間中にもらったプレゼントや、かかった費用は返さないといけないのでしょうか。関係のない現彼女や母親も含めて、あまりに要求が激しすぎる場合、犯罪に発展することはないのでしょうか。大久保誠弁護士に聞きました。


●別れたらプレゼントは返すべき?

「前提として、元彼が相談者にプレゼントをあげる行為は、法的には『贈与』となります。


元彼が交際している女性のために商品を購入して渡したり、食事の費用を負担したりしたとしても、これらは書面によらない贈与であり、すでに履行行為の終了したものです。元彼は贈与契約を撤回することはできません(民法550条)。


したがって、相談者がもらったプレゼントを返還する義務はありませんし、かかった費用を返還する義務もありません」


今回の相談者は、しつこく請求されていることに精神的に参っているようだ。本来であれば必要ない返還を請求する元彼サイドの行為そのものに、法的な問題はないのだろうか。


「元彼や元彼の母親や現在の彼女がしつこく返還請求をする場合には、その言動如何によっては、脅迫によって人に義務なき行為を行わせたとして強要罪(刑法223条1項)が成立す可能性があります。また、強要罪は未遂も処罰されます(同条3項)。


余りにもしつこい場合には、強要罪にあたるとして警察に被害届を提出することや、返還要求をすることは強要罪に当たりうるとして警告文を発することで、元彼等の行為が止まることが考えられます」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
大久保 誠(おおくぼ・まこと)弁護士
ホームページのトップページに写真を掲載しているように、野球が趣味です。
事務所名:大久保法律事務所
事務所URL:http://www.ookubolaw.com/