嘘には色んなレベルがある。誰も困らないような嘘もあれば、ちょっと本当っぽくてややこしく、つい信じてしまいそうになる嘘もある。
嘘なんてつかないに越したことはないと思ってはいるが、個人的には、明らかに一般的に考えて嘘と分かるものなら、別についてもいいようにも感じるところはある。厄介なのは、事情を良く知らない人が聞いてしまうと、つい信じてしまうようなデマの類だろう。(文:松本ミゾレ)
「あのチームで主力メンバーでした」嘘をつかれても部外者が見抜くのはなかなか難しい
そもそも社会人になると、大半の人は後々真実が露見して自分の立場が危うくなるような嘘はつかないはず。自分のありのままの姿で地道に生きるのが一番だもの。だけど世間には後でバレたら自分の立場がヤバくなるにも関わらず、ついしょうもない嘘をついてしまう人というのがいるようだ。
つい先日、ツイッターで「アレオレ詐欺」という言葉を知った。直接自分が関与してもいない仕事にも関わらず、事情を知らない第三者に「アレ、オレがやったんだぜ」としょうもない嘘をつくことをアレオレ詐欺というそうだ。
言い得て妙なネーミングである。オレオレ詐欺より深刻度はだいぶマシだけど、こんな嘘をついてしまう人は正直キツい。
「職場の使えない人が、他所では『自分がチームの主力だ』と言いふらしていた」だとか。あるいは「他人の作った成果物を手に面接にやってきて、『これは自分の手がけたものです』などと言ってきた」などというイタい事例なんかも考えられる。
自分の実力で成し遂げてもいないような成果を、色々な方面で、さも自分のお陰で完遂できたように言いふらす。しかも、その嘘を部外者が見抜くのは難しい。これがアレオレ詐欺師の実態というわけだ。
ただの虚構マウントならまだしも、場合によっては実害を招くリスクも
以前、合コンで女の子の気を引こうと必死になっているやつが、何を思ったかフリーターなのに「オレ、医者なんだけど、こないだタレントがお忍びで入院してきて~」とか言い出したのを見たこともある。
「お前が医者に診てもらえ」と突っ込んで事なきを得たが、あんなもんを信じる人だっているかもしれないから、アレオレ詐欺って悪い意味で無限の可能性を秘めているように思える。
アレオレ詐欺のレベルによっては、ただの笑い話では済まなくなるんじゃないだろうか。たとえば就活をする際に、面接で嘘の経歴を話してしまったり、履歴書にも虚偽の記載をしたり。こういうことをやってしまうと、バレたときは完全アウトだ。
しかし、職歴を誤魔化す人ってたま~にいるそうで、こういうのがいざ雇用してから発覚すると、その職場的にも大きな痛手になる。調子のいいことばかり話す人に出会ったら、アレオレ詐欺にひっかからないよう、注意して接していきたいところだ。