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F1 Topic:ホンダは提携するトロロッソに対し、ドライバー選択権を持っている?

2017年09月17日 00:02  AUTOSPORT web

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2018年のトロロッソでF1デビューが確実視されているピエール・ガスリー(右)
今回のトロロッソとホンダの提携に関しては、FIA会見でも「ホンダから資金の提供はなかったのか」という質問が飛んだ。 

 ホンダはマクラーレンに対し、フェルナンド・アロンソの年俸負担を含め、推定年間140億円前後の支援金を払ってきたと言われる。トロロッソにも同様の資金援助をするのではないかというのは、当然浮かんでくる疑問だ。

 それに対しホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、「(資金援助は)いっさいありません」と完全否定だった。

「トロロッソとの交渉は1回目から極めてスムーズで、全然大変じゃありませんでした。もちろん、金をよこせなんて言われたことは一度もない。これはフランツ(・トスト代表)の名誉のためにも強調しておきますが、そんなやり取りはまったくありませんでした」

 ただしパワーユニットは、無償で供給される。来季のトロロッソはマクラーレンに代わって、ホンダのワークスチーム扱いとなるからだ。

 ではホンダは無償供給と引き換えに、たとえばホンダ育成ドライバーを優先的に乗せるといった権利はあるのだろうか。いつもは明解なコメントが身上の山本部長だが、これに関しては「チームと相談して決めます」と答えるに留まった。

 来季からホンダと契約するとはいえ、トロロッソがレッドブルのジュニアチームであることに変わりはない。そのため来季は、現在スーパーフォーミュラ参戦中のレッドブルドライバー、ピエール・ガスリーが、カルロス・サインツJr.の抜けたシートでF1デビューすることが確実視されている。

 一方ダニール・クビアトは今季9位入賞が2回だけで、コース上のパフォーマンスは明らかに物足りない。しかしクビアトは祖国ロシアにおけるレッドブルの広告塔として、売り上げに多大な貢献をしている。

 ホンダ側としても、この二人を押しのけてまで推挙したい日本人ドライバーが現時点ではおらず、しばらくは静観するということではないだろうか。