WEC世界耐久選手権第6戦は9月15日、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingは8号車トヨタTS050ハイブリッドが総合3番手、僚友の7号車トヨタTS050ハイブリッドが総合4番手から明日の決勝レースに挑む。
現地時間15日(金)15時35分、晴天のなか迎えた第6戦の公式予選は気温33度、路面温度44度に達する、人にもクルマにも厳しいコンディションのなかで行われた。各チーム2名のドライバーの平均ラップタイムで順位を決めるこのセッションにトヨタは、7号車トヨタは小林可夢偉とマイク・コンウェイ、8号車トヨタはセバスチャン・ブエミと中嶋一貴というラインアップで臨んだ。
ライバルのポルシェが予選開始とともにタイムアタックを行なっていくなか、トヨタの2台はコース上が空くタイミング狙ってピットガレージ前で待機。タイミングを見計らい、セッション開始から約4分後に7号車トヨタの可夢偉、8号車トヨタはブエミがそれぞれコースに向かった。
しかし、8号車トヨタのブエミは1回目のアタックラップ中、11コーナーでタイヤをロックさせ痛恨のコースオフ。2回目のアタックで挽回するが、タイヤを余計に使ってしまうこととなった。
また、今シーズン幾度も光る速さを魅せている可夢偉もライバルのタイムに及ばず、この時点で7号車トヨタが総合3番手、8号車トヨタが同4番手となった。
可夢偉からコンウェイ、ブエミから一貴へそれぞれドライバーを交代して迎えたセッション後半も厳しい戦いが続く。コンウェイはアタックラップのなかでピットアウト直後のLMP2マシンに遭遇し、大きくタイムをロス。この影響で平均タイムが1分47秒098となり総合4番手に甘んじた。
予選後、コンウェイは「ちょうどアタックラップに入る前にLMP2車両がピットから出てきたようで、そのドライバーはまったく後ろを見ていなかったように思う。パッシングもしたけど、中盤のセクターの大半を遅いクルマの後を走ることになり、タイムを失ってしまった」と振り返った。
一方、一貴はブエミが使ったタイヤをそのまま使用してアタックを行い、1分46秒台のタイムをマーク。平均ラップを1分46秒400とし、7号車トヨタを逆転して総合3番手につけている。
「僕自身のタイムアタックについては、セバスチャン(・ブエミ)から引き継いだタイヤでのアタックだったため、タイムが真の実力かを判断するのは難しいと思います」と一貴。
「しかし、クルマは良い感触でしたし、楽しんでアタックできました。結果は僕らの望んでいたものにはなりませんでしたが、最後の公式練習走行中に試したロングランのペースが思いのほか良かったので明日の決勝レースには期待があります」と明るい兆しも覗かせた。
総合4番手からのスタートとなる7号車トヨタの可夢偉は「アタックラップは大きなミスをすることなくこなせました」とトヨタ勢最速タイムとなった自身のアタックを振り返った。
「頑張りましたが、いくつかのコーナーでコンマ数秒ずつ足りず、最前列グリッドを狙うには足りませんでした。明日の決勝レースは今日よりも良い状況になることを願います」
前戦メキシコと同じくフロントロウをポルシェに独占されてしまったトヨタ。高温多湿の厳しいコンディションに対し万全の準備するとともに、ライバルへの雪辱を誓う明日の決勝レースは、昨年までの夕方から夜にかけてのレースではなく真昼間の16日正午(日本時間16日26時)にスタートが切られる。