舞台『管理人』が、11月26日から東京・三軒茶屋のシアタートラムで上演される。
『管理人』は、イギリス・ロンドンのガラクタで溢れかえったある部屋を舞台に、若い兄弟と失職した老人の3人が部屋の所有を巡って争いを繰り広げるという作品。『ノーベル文学賞』『フランツ・カフカ賞』などの受賞者で、不条理な作風で知られるイギリスの劇作家ハロルド・ピンターが執筆し、1960年に初演された。
出演者に名を連ねるのは溝端淳平、忍成修吾、温水洋一の3人。翻訳を徐賀世子、演出を森新太郎が務める。森は同作について、「全てが曖昧。ただひとつ確かなことがあるとすれば、それは彼らがこの部屋において、常にある種の緊張状態に置かれているということでしょうか。そこでは、自分の居場所を巡っての駆け引きや闘争が、延々と容赦なく繰り広げられます」「ユーモアと臨場感に満ちたピンター劇をお届けできたらと思います」とコメントしている。現在、出演者それぞれのインタビュー動画が公開中だ。
チケットの一般販売は9月17日10:00に開始。詳細は世田谷パブリックシアターのウェブサイトをチェックしよう。
■森新太郎のコメント
舞台の出来事はロンドン西部にある小さな一室で起こります。
戯曲冒頭のト書きによれば、その部屋は大量の廃品=ガラクタで溢れかえっており、今日の日本で言うところのいわゆる“ゴミ屋敷”です。
登場人物は三人。この部屋にガラクタを拾い集めてくる男と、この部屋からガラクタを処分したい男と、この部屋へガラクタ同様に拾われてきた男です。彼らが何者でどんな人生を送ってきたのか、ピンターは何一つはっきりとは提示してくれません。全てが曖昧。
ただひとつ確かなことがあるとすれば、それは彼らがこの部屋において、常にある種の緊張状態に置かれているということでしょうか。そこでは、自分の居場所を巡っての駆け引きや闘争が、延々と容赦なく繰り広げられます。「アホらしい!」と笑えてしまうくらいに。
そんな滑稽なせめぎ合いの様は、我々が生きている現代社会そのものかもしれません――。
徐賀世子さんによる切れ味のいい新訳のもと、ユーモアと臨場感に満ちたピンター劇をお届けできたらと思います。
どうぞお楽しみに。