BTCCイギリス・ツーリングカー選手権でパワー・マックス・レーシングのボクスホール・アストラをドライブするトム・チルトンが、今週末に開催されるシルバーストンでの第9戦を手術後療養のため欠場。代わって1戦限定ながら、名手ロブ・ハフがBTCCに復帰することとなった。
現在32歳で、2017年からBTCCにワークス復帰したボクスホールをドライブすると同時に、WTCC世界ツーリングカー選手権にもフル参戦するという二足のわらじを履くチルトン。
その彼は先日に胆嚢手術を受け、術後4週間の安静が必要との医師からの指示を遵守する必要があるため、シルバーストンでのBTCCラウンドを欠場することとなった。
チルトン自身はBTCC最終戦となるブランズハッチでのレースには出場する意向で、同じく10月開催となるWTCC中国・寧波ラウンドでもステアリングを握る計画だという。
「次のBTCCでのレースを欠場しなくてはならないのがとても残念だが、医師の指導には従わなければならない。シルバーストンは僕の大好きなトラックだけに落胆は大きいよ。でもブランズハッチには必ず戻って来る」と、チルトン。
その代役としてチームが白羽の矢を立てたのは、今季WTCCに加えTCRインターナショナル・シリーズでレパード・レーシングに所属し、こちらもダブル・チャンピオンシップを戦うロブ・ハフだ。
2004年以来、13年ぶりのBTCC復帰となる37歳のハフは、そのデビューシーズンに参戦を開始したセアト・スポーツUKで2勝を挙げ、翌年に新設されたWTCCにステップアップ。シボレー・ワークスのドライバーとして2012年には世界チャンピオンに輝くなど、ツーリングカーの名手として活躍してきた。
今シーズンは前述のWTCC、TCRインターナショナルに加え、TCRベネルクスやCTCC中国ツーリングカー選手権にもスポット参戦し、ハフにとってはこのBTCC参戦がシーズン5つ目のカテゴリー、ということになる。
「またこうしてBTCCに戻ってこられて本当にうれしいよ。僕自身にとっても母国の選手権だし、今季3メーカー目のマシンがファクトリー製のワークスカーであるボクスホールなのも光栄だ」と、喜びを語るハフ。
「今週末にはあまり大きな期待を掛けないようにしているし、NGTC規定のマシンをドライブするのはこれが初めて。でも、TC1を筆頭にS2000、CTCC、GT3、TCRなど多くのマシンをドライブした経験があるし、それがマシンの理解を早めるのに役立ち、チームにいくつか良い結果をもたらすことができればと願っている」
パワー・マックス・レーシングのチーム代表を務めるアダム・ウィーバーは、この週末に向けハフとの契約が実現したことを喜んでいると語り、残り2戦での表彰台を是が非でも実現したい、と目標を語った。
「チルトン、(セナ・)プロクター、そしてチームとの間で、残り2戦でアストラのペースを表彰台争いが確実なところまで持っていきたい。ハフはその重要なステップを確実に手助けしてくれる、最適なドライバーだ。もし彼の才能でもリザルトが出ないのなら、我々はマシン開発の方向性について月曜の朝に長い目で見て考え直す必要さえあるだろう」
また、エースとしてマシン開発を担当してきたチルトンも、ハフにステアリングを委ねることを歓迎すると話した。
「今週末、ロブがアストラをドライブしてくれるなんて本当にエキサイティングなことだ。僕らはどちらもドライビングスタイルが違っているから、彼が週末の間にアストラのことを学び、そのロブの成果を僕らにもフィードバックすることで、最終戦のブランズハッチでさらなるプッシュが可能になるだろう」