フェラーリは9月12日、ドイツで開幕したフランクフルトモーターショーで新型コンバーチブルGT『フェラーリ・ポルトフィーノ』を世界初公開した。最大600馬力を発生させるV8ターボエンジンを搭載する同モデルは、圧倒的なパフォーマンスと多様性を両立する。
コクピット・スペースに加え、ふたつのリヤシートを備えるポルトフィーノ。『フェラーリ・カルフォルニアT』の後継モデルにあたる最新のグランドツアラーは、イタリア・リビエラの優雅で気品あふれる街並みが魅力の景勝地にちなんで名付けられた。
ポルトフィーノは2016~2017年の2年連続で『インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー』を受賞したフェラーリ製V8ターボエンジンを搭載するが、高強度ピストン、新形状のコンロッドを投入するとともに、エアインテークマニホールドの改良によって燃焼効率を高めたことで、そのエンジンスペックは最大出力600PS、最大トルクは760N・mに高められている。
その結果、ポルトフィーノは最高速度320km/h、0-100km/h加速3.5秒、0-200km/h加速はわずか10.8秒という圧倒的な動力スペックを有することとなった。
同時に広いトランクルームとゆとりのある乗員スペース、さらに低速走行時でも14秒で開閉可能が可能なリトラクタブル・ハードトップなどを備えたことで、ポルトフィーノは同格セグメントのなかではもっともパワフルで多様性に富んだコンバーチブルとなっている。
また車体構成では、カルフォニアTが21点のコンポーネントで構成していたAピラーをわずかふたつのコンポーネントで設計するなど、各パーツの一体成型を進めた結果、旧モデルから80kgの軽量化を実現。また、各コンポーネントの一体化によって剛性も35%強化されている。
エクステリアデザインでは、リトラクタブル・ハードトップを装備したコンバーチブルとしては前例のない2ボックス・ファストバック構成となったのが最大の特徴で、エレガンスとダイナミックという相反する要素をスポーツ性を強調しながら融合させた。
またインテリアでは、スタリッシュなエクステリア・フォルムとインテリア・デザインテーマの統一が図られ、コクピットには他のフェラーリ・グランドツアラーと同様にレブカウンターの周囲を円形に取り囲むインストルメントパネルとディアルTFTディスプレイを装備。これをドライバーの視線移動が少なくなるよう、多機能ステアリングホイールと同軸上に配置している。
パッセンジャーシートには、インストルメントパネルにリンクしたサブスクリーンディスプレイが装備され、車速やエンジン回転数、選択ギアなどの車両インフォーメーションが表示される。なお、メインパネルおよびサブパネルの各種機能は、ダッシュボード上の10.25インチ・タッチスクリーンによってコントロールすることが可能だ。
『フェラーリ・ポルトフィーノ』主な諸元
車両サイズ(全長/全幅/全高):4586/1938/1318mm
ホイールベース:2670mm
トレッド:フロント1633mm/リヤ1635mm
乾燥重量:1545kg
タイヤ:フロント 245/35 ZR20 8J×20
リヤ 285/35 ZR20 10J×20
エンジンタイプ:90度V8ターボ
エンジン排気量:3855cc
最大出力:441kW(600PS)/7500rpm
最大トルク:760N・m/3000~5250rpm
トランスミッション&ギヤボックス:7速F1ディアルクラッチ・トランスミッション
電子制御:ESP、ESC、F1-Trac、E-Diff3、ツインソレノイド装備 SCM-E