2017年09月13日 12:43 弁護士ドットコム
保育園などで使われている電動アシストの機能が付いたベビーカーについて、経済産業省は9月7日、「軽車両に該当」「車道もしくは路側帯の通行」が求められると発表した。この判断を自動車評論家が批判したことがきっかけとなり、ネットでは大炎上。本当に電動アシスト付ベビーカーは車道を通行しないといけないのか、経産省に聞いた。
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「今回の発表は、ベビーカーの事業者から、ある6人乗りベビーカーについて道交法での取り扱いはどうなるのか、照会があったもので、全ての電動アシスト付ベビーカーについて該当するという解釈ではありません」と説明するのは、担当する経産省生活製品課だ。
今回、経産省が突然、発表したような印象を持ってしまうが、実際は「グレーゾーン解消制度」という、事業者が発売前にあらかじめ新製品について、規制の適用の有無を照会する制度が利用されているという。
「今回の場合は、道交法と道路運送車両法の判断となりますので、経産省が窓口となり、それぞれ警察庁と国交省にそれぞれ連絡して、回答を得ました」と話す。
電動アシスト付ベビーカーについては、2015年にも今回とは別の事業者から同制度による照会があり、「車体の長さ120センチメートル、幅70センチメートル、高さ109センチメートルをそれぞれ超えず、かつ、鋭い突出部がない」「自走機能を有さず、搭載する電動機が人力補助と速度抑制を行うにとどまり、運転速度を高める機能を有していない」「人力補助は時速6キロメートルを超える速度で行われない」という条件を満たしていれば、「小児用の車」として、歩行者と見なされるという発表をしている。
その際には、「これにより、電動アシストベビーカーを広く商品展開することが可能となり、育児用品市場の活性化及び育児層の負担軽減に資することが期待されます」というコメントもあり、決して経産省が電動アシスト付ベビーカーを規制してきたわけではないことがわかる。
「今回の発表では、誤認を与えてしまったようで…。ただ、もし本当に今回照会のあったベビーカーが発売されたら、法を改正しない限りは軽車両の扱いになりますので、利用者の方が購入するかどうかは、個々のご判断になります」と同課では話している。
(弁護士ドットコムニュース)