ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。ベルギー&イタリアGP編です。
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素晴らしい人生を送っているF1ドライバーたちを気の毒に思ったことなど、いまだかつて一度もない。だが、ベルギーのレースファンたちよ、君たちはストフェル・バンドーンがベルギー人であることを知らなかったのか?
スパはマックス・フェルスタッペンではなく、バンドーンのホームグランプリだ。にもかかわらず、観客の大半はストフェルを完全に無視しているかのようだった。
いつかバンドーンが脚光を浴びる日が来るといいと、私は心から思っている。だが、いよいよその日が訪れた時、彼のクルマにはどのエンジンが載っているだろうか。ストフェルはすでにマクラーレンと来季の契約を交わしており、マクラーレンは今年限りでホンダをお払い箱にすることになりそうだ。
今のところ、ホンダとマクラーレンは双方ともに礼儀正しく振る舞い、泥沼の離婚劇にならないように気を使っている。しかし、マクラーレンがルノーのもとへ走り、「ビッグH」はトロロッソに転がり込むとなると、それは単純なケンカ別れにはとどまらない興味深い話になってくる。
実際のところ、日本人とイタリア人なら、もっとうまくやって行けるのではなかろうか。彼らにはラーメンやスパゲッティのような麺類が好きという共通点もあるではないか! そして、もはや誰も隠そうとさえしていないようだが、その先にはこのプランの真の意図がある。つまり、もしホンダのパフォーマンスの改善が著しければ、2019年からはレッドブル・レーシングも日本製エンジンにスイッチするというアイデアだ。
その代償として、レッドブルはトロロッソとルノーの離婚の「慰謝料」代わりに、カルロス・サインツJrを差し出すことを強いられた。ともあれ、移籍を望んでいたサインツJrを含めて、これで当事者の全員がハッピーになれるのなら良しとするべきではなかろうか。
ただ、面白くないのは、現代のおとぎ話の実現を信じていた人たちだ。サインツJrの移籍によって、ロバート・クビカがルノーからF1に復帰する可能性が打ち砕かれてしまった。だが、「ちょっとイイ話」が台無しになったとしても、それは結局F1にとっては良いことなのかもしれない。いまや大勢の若手ドライバーが、脇に控えてグランプリデビューのチャンスを待っているのだから。
この移籍によってできたトロロッソの空席には、おそらくレッドブル・ジュニアのフランス人、ピエール・ガスリーが収まることになる。日本の読者はよくご存知のように、今年ガスリーはスーパーフォーミュラに参戦中で、しかも無限ホンダ・エンジンを積んだマシンをドライブしている。まるで全てが予定されていたかのようではないか!
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