相性のいいシアトルでダブルヘッダーを完全制覇したタナー・ファウスト 9月8~10日にワシントン州シアトルのエバーグリーン・スピードウェイで開催された、GRCグローバル・ラリークロス第10~11戦のダブルヘッダーで、フォルクスワーゲン・アンドレッティ・ラリークロス(VARC)のタナー・ファウスト(フォルクスワーゲン・ビートルRXスーパーカー)がチームメイトとのタイトル争いに踏みとどまる2連勝を挙げた。
ここまで4連勝を挙げ、前戦でチャンピオンシップ逆転首位浮上に成功していたVARCのスコット・スピード(フォルクスワーゲン・ビートルRXスーパーカー)に対し、自らも2度のGRCタイトル獲得経験を持つファウストが奮起。
今季はここまで2勝に留まっていたが、このシアトルのトラックでは抜群の相性をみせ、昨季同様に2連勝を挙げ、いまだスーパーカー・クラスで唯一のシアトルウイナーの地位を守ってみせた。
第10戦となった土曜の予選ヒートで、そのVARCに立ちはだかったのがスバル・ラリーチームUSAのクリス・アトキンソン(スバルWRX STI RXスーパーカー)。セミファイナルで最速をマークし昨年のロサンゼルス戦以来となる決勝のポールポジションを獲得すると、フロントロウに並んだファウストとの一騎打ちに。
スタートからサイド・バイ・サイドの状態で1コーナーに進入したスバルWRX STIとVWビートルの2台だったが、ここでファウストがポジション取りに成功し先頭へ。さらに3台目のフロントロウスタートだったVARCのもう一台、スピードのVWビートルもファウストに続いてスバルをかわし、いきなりのワン・ツー体制を構築。
結局、ファイナルはそのままのポジションでフィニッシュを迎え、ファウスト、スピードのアンドレッティ勢に、スバルのアトキンソンが6月のトンプソン以来となる3位表彰台に上がった。
続く日曜の第11戦でも、スバル・ラリーチームUSAが速さをみせ、前日のアトキンソンにかわり、チームメイトであるパトリック・サンデルがポールポジションを獲得。WRX STIのスピードを証明する形となった。
しかし、ファイナルがスタートするとこちらも前日のリピートのような展開となり、早々にファウストが首位に浮上し、スピードが2番手に続く展開に。
サンデルはなんとか3番手に踏みとどまり、4番手のブライアン・ハータ・ラリースポートのルーキー、オースティン・シンドリック(フォード・フィエスタRXスーパーカー)と、アトキンソンを従えてフィニッシュ。
これでファウスト、スピードのふたりが連日のワン・ツー・フィニッシュを決め、タイトル争いでもファウストが首位スピードに30ポイント差に詰め寄った。
「この週末はスピードが席巻してタイトルを決めてしまう可能性もあった。それを阻止できたのは良かったね。でも一番大事なことは(タイトル争いのライバルであった)ロエンブロ・モータースポーツのスティーブ・アルピン(フォード・フィエスタRXスーパーカー)を僕ら2台で封じ込めたことだ」と、喜びを語ったファウスト。
この週末の結果により、フォルクスワーゲン・アンドレッティ・ラリークロスは2年連続のチームタイトルを確定。来月10月14日に開催されるシーズンフィナーレ、ロサンゼルスでの決戦は、VARCのふたりと首位から74ポイント差のアルピンにのみタイトル獲得の可能性が残されており、事実上はVWビートルの一騎打ちになるとみられる。