ヤマハ発動機は9月11日、9月22~24日に行われるMotoGP第14戦アラゴンGPで、療養中のバレンティーノ・ロッシに代わり、マイケル・ファン・デル・マークを起用すると発表した。
モビスター・ヤマハからMotoGPに参戦しているロッシは、故郷イタリア・ウルビーノでモトクロストレーニング中に転倒して脛骨や右足を骨折する大怪我を負った。
事故後、ロッシは骨折箇所を金属のピンで固定する手術を受け、無事に成功。しかし、治療に専念するべく9月10日に決勝が行われた第13戦サンマリノGPは欠場を余儀なくされていた。
チームによれば、ロッシは現在、順調にリハビリを進めているということだが、10月13~15日の第15戦日本GPまでに復帰することは難しいといい、アラゴンGPではファン・デル・マークにヤマハYZR-M1を託し、マーベリック・ビニャーレスとのコンビで挑む。
代役を務めるファン・デル・マークは今季、スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦中のライダー。今年7月の鈴鹿8時間耐久ロードレースではヤマハ・ファクトリー・レーシングチームから中須賀克行、アレックス・ロウズとともに参戦して優勝、ヤマハの8耐3連覇に貢献した。
世界グランプリでは、2010年に125㏄クラスで7レースに出場しているほか、2011年にはオランダGPのMoto2クラスに参戦した経験を持つ。アラゴンGPの舞台となるモーターランド・アラゴンでは、SBK(スーパーバイク世界選手権)、WSS(スーパースポーツ世界選手権)で合計7回のレース経験がある。
「アラゴンGPでYZR-M1に乗るチャンスをもらって、とても興奮している」とファン・デル・マーク。
「MotoGPマシンはこれまで一度も乗ったことがないから、新たな経験となる。どのようなフィーリングなのか、今から興味津々だよ」
「事前テストなしに、公式のプラクティスに臨むのは非常に難しいことだと思うけど、それでも、この貴重なチャンスを与えてくれたヤマハに心から感謝している。この機会を通じ、多くを学びたいと思っているよ」
またヤマハ・モーター・レーシングのマネージングディレクターを務めるリン・ジャービスは「アラゴンGPでは、チームとして2台のマシンを走らせることが義務付けられている。それまでにロッシの復帰は難しいと判断し、我々は契約ライダーの中から代役を探した」とファン・デル・マーク起用の経緯を明かす。
「2011年にはロレンソの代役として中須賀克行を、2016年にはブラッドリー・スミスの代役としてアレックス・ロウズが出場したが、今回はこの大役をファン・デル・マークに任せることに決めた」
「他のライダーの代わりを果たすことは簡単なことではない。とくにロッシの代役となれば、より一層、難しいだろう。しかし、ファン・デル・マークにこの仕事をするだけの素質と経験があると確信している」
「チームとして全力でサポートし、彼がチャンスを成功に結びつけてくれることを願っている。また、ロッシの順調な回復を祈っている」