9月3日に決勝が行われたWEC世界耐久選手権第5戦メキシコでは、ポルシェの前に敗北を喫したTOYOTA GAZOO Racing。チームは2週間後の第6戦オースティンで前戦の雪辱を果たすことを目標に、北米開催2連戦の第2ラウンドに挑む。
約1カ月半の夏休み明けのレースとなったメキシコラウンドからわずか2週間後の9月14~16日、WECはアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で第6戦が開催される。
2013年の初開催以来、今年で5年目の開催となるオースティン。例年暑さとの戦いにもなるこのレースは今季、レーススケジュールが変更され、過去4年間実施してきた夕方から深夜にかけてのレースが正午スタート、夕方フィニッシュとなった。
これにより、ドライバーはもちろんのこと、2台のトヨタTS050ハイブリッドやチームスタッフにとっても、これまででもっとも過酷な環境でのレースとなることが予想される。
そんなオースティンでは2016年、小林可夢偉とマイク・コンウェイのコンビが3位表彰台を獲得しており、ホセ-マリア・ロペスを迎えた今季の7号車トヨタは昨年以上のリザルトを目指す。
一方、8号車トヨタはドライバーラインアップの一部が変更された。開幕戦から8号車トヨタのステアリングを握るアンソニー・デビッドソンは今回、“個人的な理由”により第6戦を欠場。
代役として第2戦スパ・フランコルシャンでトヨタ9号車を、第3戦ル・マン24時間レースでは8号車トヨタをドライブしたステファン・サラザンが起用され、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとともマシンをシェアすることとなった。なお、このドライバー変更は今大会のみの予定だ。
「今季、ふたたびトヨタTS050ハイブリッドでレースを戦えることにワクワクしている」と語ったサラザン。
「(中嶋)一貴、セバスチャン(ブエミ)と組んで走るのはとても楽しみだ。COTAのコースは熟知しているから、可能な限り多くのポイントを獲得するために全力を尽くすよ」
サラザンが加わる8号車トヨタは現在、ドライバーズランキングで2番手につけているが、前戦のメキシコでポルシェにワン・ツー・フィニッシュを許したことから、首位の2号車ポルシェとのポイント差は41点に広がってしまった。
また、マニュファクチャラーズランキングでは、ポルシェの198ポイントに対してトヨタは141.5ポイントと、その差は56.5ポイントとなっている。
2年連続のポディウムフィニッシュを狙う可夢偉は「昨年、僕たちは強敵2メーカーを相手に表彰台を勝ち取っており、個人的には良い思い出のあるコースです」と相性の良さを強調。
「前戦メキシコよりは上位争いが出来るチャンスもあると思いますので、最高の結果を得られるように、全力でプッシュして行きます。気温の高さはドライバーにとっても厳しく、僕たちもそれに対応すべく準備する必要があります」と語った。
ランキング2番手で2号車ポルシェのトリオを追う一貴は「メキシコでは残念な結果となってしまっただけに、オースティンで雪辱を果たすべく、チーム全体で士気は高まっています」とコメント。
「僕たちのクルマに向いているサーキットのはずですが、実際に走って、ライバルとの力関係を確認する必要はあります」
「もちろん勝つ気は満々ですし、そのために最大限の努力を続けて行きます。僕自身はまだCOTAで表彰台に上がったことがないので、まずはそれが目標です」と意気込みを語った。
WEC第6戦オースティンは9月14日(木)に2回のフリープラクティスが行われ、15日(金)に3回目のフリープラクティスと公式予選、そして16日(土)の12時(日本時間16日26時)から6時間の決勝レースが行われる。