TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加している勝田貴元、新井大輝、足立さやかの3名は9月8~9日、フィンランドラリー選手権第6戦ウーシカウプンキ・ラリーに参戦。足立が2位、新井が3位表彰台を手にした。
シリーズ第6戦は、フィンランド南西部のウーシカンプキを舞台に8SSで争われるグラベル(未舗装路)戦。総SS距離は97.54km、総走行距離は298.78kmで争われ、計90台が参戦した。
イベント中、SS1~4までが行われた午前中は雨が降りウエットコンディションとなったものの、午後のSS5以降は天候が安定。フィンランドの路面は水はけがいいこともあり、ドライコンディションとなる難しい一戦となる。
コドライバーとして、ラリーチャレンジプログラムに参加している足立にとって、今大会は3カ月ぶりの実戦。しかし、そのブランクを感じさせず、スバル・インプレッサR4を操るヤルッコ・ニカラを確実にサポートし、序盤からトップを走る格上のプジョー208 T16 T5に肉薄する。
途中、インプレッサR4にはミスファイヤのトラブルが発生してタイムを失ったものの、ニカラはトップと12.8秒差の総合2位でフィニッシュ。ポイントランキングでも3位にポジションを上げてみせた。
ドライバーとしてラリーに臨んだ新井は、午前のタイヤ選択がウエット路面にマッチ。SS3、5ではステージ2位タイムを獲得するなど好走をみせる。SS6ではステージ上の岩にヒットしてホイールを曲げてしまい、8秒ほどタイムをロスしたものの、総合3位で走りきり、表彰台を獲得している。
一方、勝田はスタート前にギヤボックスにトラブルが発生するなど波乱の幕開け。サービスが設けられたSS4までは5速から4速へのシフトダウンがうまくいかない状況での走りを強いられる。
チームはSS4後のサービスでギヤのトラブルを修復すると、その後はペースが改善。上位とのタイム差を縮めていき、トップと30.7秒差の総合5位で競技を終えた。
「前回から3カ月ぶりのラリーでした。今回は何としても完走したかったのと、ペースノートのシステムを変えてからのラリーを成し遂げたい一心でした」と語るのは2位表彰台に上がった足立。
「SS2は今回のラリーで一番長く、クレストが多く道幅の狭いハイスピードのコース設定で、とてもノートが合わせづらいステージでした。それでも、次第にリズムを合わせることができるようになり、SS5、6ではとても気持ちよく読むことができました」
「タイムにもつながり、とても満足でした。次戦が最終戦になりますが、この感覚を忘れずに気を引き締めて取り組みたいと思います」
また、3位を手にした新井は「今回は、前戦で得たペースノートの課題を解決すべくラリーに挑みました。残る課題もありますが、全体的にはかなり改善できたと思います。高速でクレストやジャンプの多いこの国のラリーは、これからのラリー人生に大きな影響を与えると感じています」とコメント。
トラブルに苦しめられた勝田は「次戦スペインはターマックがメインになるので、頭を切り替え、また新しいチャレンジを楽しみたいです」と意気込みを語った。
勝田と新井は10月6~8日に行われるWRC第11戦ラリー・デ・エスパーニャへの事前準備を兼ねて、9月23日に開催されるラリー・オウレンセに参戦。コドライバーの足立はニカラとともに、9月29~30日に行われるフィンランドラリー選手権第7戦レイクシティ・ラリーに挑む。