オートポリス戦でポールポジション獲得も、決勝では40周目に小林可夢偉(KCMG)と接触してフロントウイングを失い、大きく順位を落とした野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。最終的には14位でレースを終えた。あのとき野尻に何が起こったのか。
「アウトラップのちょうど1コーナーのところで国本(雄資)選手(P.MU / CERUMO・INGING)が出てきてた。僕は抜けるタイミングだと思って(小林)可夢偉選手(KCMG)の後ろにいましたが、ちょうどブレーキングしたタイミングで可夢偉選手がちょっとだけラインをずらして僕の方に来て、そこで僕のフロントの空力が抜けて、タイヤがロックして止まりきれなくなってしまいました」
「あのブレーキングの瞬間、僕はどこにも行けず、それは別にペナルティが出るとかそういうレベルじゃなくて、どちらかというと僕の読みが足りなかったということだと思います」
野尻の戦略で疑問が残るのが、ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)とのトップ争いで、2番手のガスリーが先にタイヤ交換を行った時、ピットタイミングなぜ合わせなかったのかという部分。タラレバで言えば、そのタイミングで変えていれば少なくとも2位以上のリザルトにはなっていたはずだ。
「ピットに呼ばれるかと思ったんですけど、呼ばれなかった。あのタイミング(24周目)は結構早かったじゃないですか。まだ残り半分くらいあった。ソフトはこれくらいしか保たないというラインが僕らにはあった。僕も午前のフリー走行の時には4、5周目くらいしか使えないのではと思っていました」
予選の結果からすれば残念な決勝になったが、それでも野尻はこのオートポリスで大きな手応えを感じることができたという。
「今週はクルマも結構変えました。スタート前の8分間走行で閃いて、ちょっと変えてもらったところがあって、それが結構うまくいったんじゃないかなと。それは今後に必ず活きてくると思うので、ロングでも十分戦えるペースを維持できることに繋がるんじゃないかと期待しています。ミディアムで速かったという面では、だいぶポジティブですし、収穫は十分ありました」
「今回のミスは、本当にチームには申し訳ない気持ちはありますし、防ぎ切れたミスでもあると思いますけど、(フェルナンド)アロンソでもオーストラリアGPで接触してひっくり返ったりして、あの接触と同じようなシーンですよね、そう思って帰ります。そうじゃないと、次、ああいったシーンでは前に行けませんので」