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鳥取市民と「義兄弟」になれる取り組み始まる 「近くの他人やスマホの中だけの友人より、鳥取のブラザー&シスター」

2017年09月11日 16:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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高齢化や人口減少が進む中、今やどの自治体も移住者の誘致に力を入れている。しかし、移住には様々なハードルも伴う。本格的に考えている人は、そう多くはないだろう。

こうした中、鳥取市は今年から、市が運営する2泊3日の体験プログラム「すごい!鳥取市 ワーホリ」の一部として、市民と「義兄弟」になれる施策を始めた。移住を検討する前に鳥取市がどういうところなのか知りたい、という思いに答え、心理的な距離を縮めるための取り組みだ。

鳥取空港を利用する場合には、4万円の支援金支給

きっかけは、昨年移住希望者向けの体験プログラムを開催したときのこと。参加者から「市に来る前に、市民の声を聞ける機会があるといい」という要望が寄せられた。

そこで発案された今回のプログラムでは、ワーホリ参加希望者は、20人いるブラザー・シスター候補者から好きな人を選び、専用メッセンジャーアプリで会話をする。その後、プログラムに参加して市を訪問し、ブラザー・シスター候補者と対面。書類を市役所に提出すると、晴れて市公認の「義兄弟」になれる。義兄弟になった後は、個人同士のやりとりで関係を深めるため、行政の介入は特にない。

ワーホリのプログラムには「ストレスOFF保証プラン」「わたし、巫女になる!リアルみそぎプラン」などの4つがある。ストレスOFF保証プランはシャワークライミングや鳥取砂丘でのスポーツ、ヨガなどが予定されている。

これらは、今年3月に鳥取市民を対象に実施した、移住者を増やすためのワークショップで出た案をまとめたもので、ブラザー・シスター候補者も、ワークショップ参加者やその知り合いが中心だ。候補者の職業は「梨農家」「漁師」「ゲストハウス運営者」などと多彩だが、同市広報担当者は「市を盛り上げていこうという気持ちの強い人が多い」という。

公式サイトには、

「SNSでいつでもどこでもつながれるのに、ふとした時に孤独を感じるあなた。都会で生まれて都会で育って、実は少し田舎に憧れているあなた。お兄ちゃんもお姉ちゃんもいない、生粋のひとりっ子のあなた。そんなあなたの悩みをまとめて解決!」
「近くの他人より、スマホの中だけの友人より、鳥取のブラザー&シスター」

と、気軽な参加を呼び掛ける文言が並ぶ。

体験プログラムは今月9月末の第一回を皮切りに、11月末まで合計9回の実施を予定している。鳥取空港を利用する場合には、支援金として4万円が支給される。

広報担当者は、「移住が頭にない人でも構わない。むしろ、鳥取市がどういうところか見てみたい、という人にこそおすすめ。通常の観光では見られない一面が見られます」と呼びかけていた。