マルケスが今季4勝目を挙げランキングトップに立つ
2017年9月10日(日)決勝
天候:雨
気温:18℃
コースコンディション:ウエット
観客:9万6324人(3日間:15万8263人)
レポート
第13戦サンマリノGPは、今季2度目のウエットコンディションの中でスタートし、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、第10戦チェコGP以来、3戦ぶりの優勝を果たしました。
Moto3クラスとMoto2クラスは、断続的に雨脚が強くなる厳しいコンディションでしたが、最終レースのMotoGPクラスは、コース上の雨量は多いものの雨は小降りになり、3クラスの中では雨の影響が最も少ないコンディションでした。
その中でマルケスは、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とトップグループを形成しました。トップを走るのはペトルッチ。マルケスはドヴィツィオーゾを従えて2番手を走行します。
そして終盤になると、ドヴィツィオーゾが遅れ、ペトルッチとの一騎打ちに。最終ラップとなる28周目の1コーナーでペトルッチをかわすと、ファステストラップを刻み、ペトルッチを振りきりました。
今大会は、フリー走行、予選、ウォームアップと3度の転倒を喫しましたが、決勝ではライバルを圧倒する走りで今季4勝目を挙げました。この結果ポイントランキングにおいて、今大会3位に終わったドヴィツィオーゾと並び、2戦ぶりに首位の座を奪還。2年連続4度目のタイトル獲得に大きく前進しました。
予選14番手のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、今季ベストタイの6位でフィニッシュ。好スタートを決めると、オープニングラップで7番手に浮上し、その後は前を走るホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)の転倒で6番手へ。
7周目にはロリス・バズ(ドゥカティ)を抜いて、5番手に浮上しました。その後は、ミケーレ・ピロ(ドゥカティ)とし烈な5番手争いを繰り広げ、6位でチェッカーを受けました。
予選4番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、序盤はセカンドグループに加わりましたが、7周目に転倒を喫し、再スタートを切りますが21番手までポジションを落とし、それが影響して13位でフィニッシュとなりました。
予選7番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、序盤からペースが上がらず14位でフィニッシュ。ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、13番手を走行していた20周目に転倒を喫し、リタイアに終わりました。
コメント
マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今回のレースは自分のキャリアでも最高のレースの一つになりました。最高の気分です。ミスをしやすいコンディションで常に集中力を必要としました。そのため最終ラップでアタックすることを決めていました。最終ラップは最高でした」
「リスクをかなり負いましたが、今シーズンは接戦なので、優勝をして、さらに5ポイントを上乗せするだけの価値がありました。もちろんレースを通してチャンピオンシップのことを考えていました。最初は感触があまりよくありませんでした」
「路面に水が多く、何度かヒヤッとする瞬間がありました。(ホルヘ・)ロレンソの序盤の速さはすばらしかったです。ダニロ(・ペトルッチ)も、ロレンソが転倒してレースをリードするようになってからはすばらしい速さでした。でも彼についていくことができ、最後にアタックしました。
すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したいです。シルバーストーンの出来事(エンジンの問題によりリタイア)のあとだったのでうれしいです。どのような状況でも常に準備を整えられるように努力しています。
このサーキットで、ウエットからドライへセットアップを変更するには時間がかかることは分かっていたので、路面が乾き始めたと感じたときや、フラッグ・トゥ・フラッグになる可能性が少しでもあると思ったときには、チームにサインを送ることになっていました。
そして今回、サインを送りました。結局そうはならなくても、それに近い状況になったので正しい行動でした。今年のチャンピオンシップはどのようなことも起こり得ますが、ついにアンドレア(ドヴィツィオーゾ)と同ポイントになり、ランキングトップに戻って来られました。
最高のチャンピオンシップです。残り5戦はとても厳しいレースになっていくと思いますが、引き続きプッシュして、100%出しきりたいです。最後に、22度目のタイトルを獲得した(トライアル世界選手を戦う)トニー・ボウに、おめでとうと言いたいです。ただただすばらしいです。トニー、この調子でがんばってください」
ジャック・ミラー(MotoGP 6位)
「スタートでは(マーベリック・)ビニャーレス(ヤマハ)や(カル・)クラッチローよりもいいペースがあると感じていました。でも、レース終盤にペースが落ちてしまいました。リアタイヤを気にして、エンジンのマッピングを変えるのが遅すぎたのかもしれません」
「タイヤのエッジはよかったですが、ドライブ方向が少し落ちて、終盤、(ミケーレ・)ピロを抑えることができなくなってしまいました。しかし、シーズン後半のベストリザルトとなり、ポイントも獲得できました。次のアラゴンが楽しみです」
カル・クラッチロー(MotoGP 13位)
「感触はとてもよく快適でした。自信があったし、10周を終えてプッシュできるかもしれないと感じました。序盤はリスクをあまり負いたくなかったのですが、久しぶりに高く飛ばされました。これは完全に僕のミスです。だれのせいでもありません」
「ジャックやほかのライダーを引き離したかったのですが、ジャックをパスしたときに転倒してしまいました。ドヴィツィオーゾとのギャップを縮める自信もありましたし、マルケスにも追いつけると感じていました。でも、プッシュしすぎて転倒してしまいました。それでもレースに戻り、ポイントを獲得しました」
「長く難しいレースでした。ハンドルバーがタンクに当たり、フットレストもありませんでした。やらなければならないことをしましたが、LCR Hondaチームに申し訳なく思っています。本来ならいい結果を出せるはずでした。レースで優勝できたかどうかは分かりませんが、ドヴィとバトルができたことは確かだと思います」
「手をケガしている状況の中、レースウイークを通していい仕事ができました。感触はずっとよかったです。ウエットでもドライでも速さがありましたが、レースでミスをしてしまい、無駄にしてしまいました」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 14位)
「とても難しいレースでした。タイヤが全く温まらず、残念ながらかなり苦戦しました。僕にとってはまるで氷の上を走っているようでした。午前中のウォームアップで転倒してしまいました。この問題を解決するためにすべてのことを試しましたが、解決策を見つけられませんでした」
「僕はとても遅く、すべてのコーナーで転倒のリスクがありました。路面の水が少なくなった終盤は、タイヤを少し温めることができ、ラップタイムが4秒ほど上がりました。ポイントをたくさん失い残念です。今後のレースに集中して、もっといい結果を出せるようがんばるだけです」
「トニーは22度目のトライアルのタイトル獲得という、すばらしい功績を残しました。彼はみんなにとってのすばらしい見本です」
ティト・ラバト(MotoGP リタイア)
「レース序盤はリアのグリップがありませんでした。フルウエットの路面で、なぜこれほど難しかったのか分かりません。やがてリズムをつかむことができ、前のライダーたちに追いつきました。ポイント圏内の位置でした」
「そんな中で、6コーナーでリアがスライドして転倒してしまいました。自分やチームにとって残念な結果でした。このような難しいコンディションで完走したかったです」