トロロッソのカルロス・サインツJr.が2018年にルノーに移籍することが決まったとドイツメディアが9日に伝えた。これがトロロッソ・ホンダ、マクラーレン・ルノー誕生への第一歩になるのではないかと考えられている。
ドイツのモータースポーツ専門ウェブサイトMotorsport-Total.comは、独占情報として、レッドブルは、トロロッソの2018年に関するルノーとの契約を解除するための条件のひとつとして、サインツをルノーに移籍させることに合意したと伝えた。
イタリアGPで、マクラーレンがホンダとのパワーユニット契約を打ち切ってルノーにスイッチしようとする動きが加速していたが、それが実現するにはトロロッソがルノーからホンダにパワーユニットを変更する必要があった。そして、トロロッソがルノーとの契約を解除するための交渉で重要になるのは、ルノーが以前から関心を示していたサインツを移籍させることであると考えられていた。
Motorsport-Total.comは、その最初の動きとして、サインツのルノー移籍が決定したと伝え、マクラーレン、ホンダ、ルノー、トロロッソの4者が絡む複雑な交渉が合意に向かうことになるとの見方を伝えた。週末から週明けにかけて契約が行われ、シンガポールGP前、あるいはシンガポールGPの週末に、マクラーレンとホンダの契約解消、ホンダのトロロッソとの契約、マクラーレンのルノーとの契約といった発表が行われる見通しだと報じている。
マクラーレンが2018年のパワーユニットを確定させれば、フェルナンド・アロンソとの契約延長についての交渉も本格的に進むことになるだろう。
サインツは今年のマレーシアGPから、ジョリオン・パーマーに代わってルノーに加入するという説もある。その場合、サインツの後任は、レッドブルのジュニアドライバーで、現在スーパーフォーミュラに参戦するピエール・ガスリーが務めるのではないかと考えられている。
ガスリーはスーパーフォーミュラ第5戦オートポリスで2勝目を飾り、ランキング2位に浮上。「この2、3日で動きがあるかもしれないし、何かニュースがあるかもしれない。マレーシアで走ることができたらいいね」とコメントした。
ホンダがトロロッソと契約するのであれば、2018年のドライバー候補のなかに、ガスリーとクビアトに加えてホンダが支援する松下信治も含まれてくるとMotorsport-Total.comは伝えている。しかし現在F2に参戦する松下がF1に昇格するにはスーパーライセンス発給の厳しい条件をクリアする必要がある。松下はランキング3位を獲得しなければならないが、残り2ラウンドの段階で現在ランキング6位で、3位との差は37ポイントとなっている。
現在松下はマクラーレン・ホンダのテスト&開発ドライバーを務めているが、ホンダがトロロッソとともにF1活動を続けていくことになれば、松下は今のポジションから外れることになりそうだ。