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スーパーフォーミュラ:P.MU/CERUMO・INGING 第5戦オートポリス 決勝レポート

2017年09月11日 00:11  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

P.MU/CERUMO/INGING
2017 SUPER FORMULA
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第5戦 オートポリス

◆9月10日(日)決勝
#1国本雄資 5位/#2石浦宏明 4位
天候:晴れ|コース状況:ドライ

 2017年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦、オートポリス大会の決勝レースが10日(日)に開催され、P.MU/CERUMO・INGINGの2台は、石浦宏明が4位フィニッシュ。国本雄資も5位でチェッカーを受け、揃って上位入賞となった。

 週末を通して好天に恵まれたオートポリス。決勝日も朝から秋晴れの空が広がり、午前8時50分からのフリー走行は気温24℃、路面温度28度というコンディションでスタートした。昨日までは予選に向けたセットアップを進めてきたが、ここでは決勝に向けたロングラップをチェックするマシンが多く、P.MU/CERUMO・INGINGの2台もソフトタイヤ、ミディアムタイヤの両方で連続周回し、決勝に備えた。

 決勝レースのスタート時刻は、通常より早い午後1時5分。気温29℃、路面温度35℃というコンディションで54周のレースのスタートが切られた。P.MU/CERUMO・INGINGの2台を含め、上位陣のほとんどはミディアムタイヤでスタート。国本はソフトタイヤでスタートした1台に先行されたが3番手に留まり、石浦は他車のスタートミスもあり1つポジションを上げ7番手でオープニングラップを終えた。その後、ソフトタイヤで後方からスタートしてきた中団以降のマシンがポジションアップしてきたため、国本はじわじわと順位を下げることに。石浦は15周目と早めのピットインでソフトタイヤに履き替え、クリアな状態でプッシュする戦略を採り、暫定17番手、ピット作業を済ませた中では7番手でコースに復帰すると、好ペースを維持して周回数を重ねていった。

 国本は石浦と反対に、39周終了までピットインを遅らせた。全車の中でも最後にピットに戻りソフトタイヤに履き替えると、6番手でコースに復帰。この時点で石浦は4番手まで順位を挽回していた。

 国本は石浦を追いかけるべく、まずは目の前の小林可夢偉選手を攻略にかかったが、巧みなブロックに阻まれ数周の時間をかけてしまう。それでもスピードに勝る国本は懸命にチャンスを窺い、45周目のホームストレートで片輪をコースサイドにはみ出させながらもなんとか小林選手を抜ききった。その後はすぐに石浦に追いつき、チームメイト同士での4位争い、そして表彰台への追い上げが始まった。

 2台の戦いは常に1秒を切る激しさで、一時は国本が石浦をオーバーテイクをしたかと思われるシーンもあったが、後続から追い上げていた車と三つ巴になったこともありオーバーテイクは叶わず。そこから石浦は終盤更にペースを上げ徐々に3位を追い上げていったが、抜き去るにはラップ数が足りず、4位でチェッカーを受ける。

 国本はその後も続いていた後続車とのバトルを制して、5位でレースを終えた。石浦はポイントリーダーを守ってSUGO戦に入ることになり、国本は悔しい5位となったが、富士戦以来のポイント獲得でランキングは8位に上昇。2台揃っての上位入賞により、チームランキングでも今シーズン待望のトップに立った。

ドライバー/#1 国本 雄資
「周りとあまり変わらないスタートになったので2位のままで行けるかと思ったのですが、ソフトタイヤでスタートしたピエール・ガスリー選手のスタートが良くて、何もできませんでしたね。2ストップ作戦だろうと予測できたマシンは無理をせずに先行させましたが、いつの間にかかなり順位を下げていて、このタイミングでピットに行っても意味がないので、終盤にいい状態でソフトタイヤを履く作戦にしました」

「タイヤが新しい分トラクションはかかりますが、1コーナーぐらいしかチャンスがなく、なかなか抜けずに悔しい結果になりました。クルマの調子は今シーズンすごくいいと思うので、次も好調を維持していきたいです」

ドライバー/#2 石浦 宏明
「朝のフリー走行で予想よりもソフトタイヤでの走りが良く、もてぎ戦のように上手い作戦をとれば優勝を狙えるぐらいの手ごたえをつかんでレースに挑みました。やはり昨日と同じようにミディアムタイヤではペースが良くなく、早めにソフトタイヤに履き替えることにしましたが、周りのドライバーの戦略に対して少し迷いが出てしまい、ピットインの判断が遅れてしまったことに悔しさが残ります」

「ただ、今週は速さが足りずに苦しんだ中でも4位で終えられたので、傷口としては小さく済んだかと思います。でも、表彰台には上がりたかったですね。予選での速さも足りなかったので、SUGOで同じ結果にならないよう、この週末をしっかり分析したいと思います」

監督/立川 祐路
「国本はフロントローからのスタートで、ポジションを下げることになりました。結果で言えば、ソフトタイヤでスタートしたドライバーや早めのピット戦略をとったチームに前に出られてしまいましたが、国本のスタート位置を考えると、一か八かという作戦はとりづらかったです」

「一方、石浦はソフトタイヤが40周近く持つかどうか分からないけれどトライするという判断にしました。2スペックタイヤの状況判断は戦略的に難しく、揃っていい結果で終えることができず残念です。SUGOは昨年苦労したので、今年はそういうことのないよう、いい結果を残したいと思っています」

総監督/浜島 裕英
「石浦については順位も上げてポイントリーダーを保つことができましたが、国本が順位を下げてしまったことは、これから分析をきちんとしなければいけません。ミディアムからでもソフトからでも、戦略をしっかり立てれば結果が出るということも感じられるレースでしたね。SUGOではそろって表彰台に上がれるよう頑張っていきたいと思います」