東京商工リサーチは9月8日、東京23区「社長の住む区」調査の結果を発表した。東京23区内に住む社長は35万5175人だが、数年前から始まった都心回帰の傾向は今も続いていることが判明した。
人口比率では港区が1位 渋谷区や千代田区も健闘
社長が最も多く住むのは世田谷区で、居住人数は3万8771人。23区内に居住する社長の約1割が住んでいる計算になる。世田谷区は23区内で最も人口が多く、成城や三軒茶屋、二子玉川など、人気の高いエリアが多く点在するほか、等々力渓谷などの豊かな自然も楽しめる地域だ。
2位は港区で2万5124人。赤坂や六本木などの高級住宅地を擁し、そのステータスや交通の利便性が人気の理由だと思われる。3位は大田区で2万2006人だった。
人口当たりの社長居住割合は、港区が9.9%で最も高かった。次いで、渋谷区と千代田区が8.6%で同率2位、その後中央区(6.5%)、新宿区(5.7%)と続く。最も比率が低かったのは葛飾区の2.4%で、足立区(2.49%)、江戸川区(2.5%)、北区(2.56%)、板橋区(2.6%)などが続いた。
居住割合が高い区は、地価が高く、交通アクセスも良い都市部が目立つ。葛飾区や足立区などは、これらの区より交通の利便性が低いことも、比率が低くなった一因と見られる。
交通の利便性で難のある下町も、「職住一致比率」の高さでは負けず
経営する企業の本社と社長の住む区が同一の「職住一致数」は、居住人数で上位だった世田谷区、港区、大田区の3つが1位から3位を占めた。一方、「職住一致の比率」でトップになったのは台東区(71.2%)で、唯一7割を超えていた。その後足立区(67.6%)、江戸川区(65.7%)、墨田区(65.3%)など、歴史ある下町エリアが目立った。
23区内に住む社長の経営する企業を産業別に見ると、最も多かったのは「サービス業他」で12万5354人、2位が「情報通信業」で3万9351人、3位が「不動産業」で3万8046人だった。