マクラーレンのエグゼクティブディレクター、ザック・ブラウンが、2021年に導入されるF1パワーユニットの新規則の内容によっては、自社製エンジンを開発する可能性もあると発言した。
マクラーレンは2015年、パワーユニットをメルセデスからホンダにスイッチ。ワークス待遇でのエンジン契約がなければF1の頂点に返り咲くことはできないとの判断だったが、ホンダとのパートナーシップが3年目を迎えてもチームは低迷し続け、ついにホンダとの長期契約の打ち切りを望み、交渉を行っている。
ホンダと袂を分かつ場合、来年からはルノーエンジンを積むことになりそうだが、エンジン規則が大きく変わり、大幅なコストダウンが可能になるようであれば、自社でエンジンを製造することも考えていくと、ブラウンは語った。
F1首脳陣は2021年の規則を策定する上で、今よりシンプルで、コストがかからないエンジンを導入することを検討している。
「F1の状況は2021年以降、非常にポジティブな形で変化していくだろう。予算制限、収入の分配方法、エンジン規則に関してだ」とブラウンはイタリアGPの週末にコメントした。
「多くのことが変わるため、2021年に向けて決断を下すのは簡単ではない」
「我々が自分たちのエンジンを作るためには、これまで経験していないことなので、長い準備期間と多額の設備投資が必要になる」
「これを検討することになるだろう。まずはプラットフォームとなる規則と、どれぐらい費用がかかるかを理解する必要がある」
「今、エンジンを開発するには莫大な予算が必要であり、それほどの額をつぎ込むことはできない。エンジン規格が変わり、金銭面で我々に実行可能になる必要がある」
2021年の新規則によっては、インディペンデントのエンジンサプライヤーがF1に参入する可能性があると、ブラウンは期待している。
新しいエンジン規定がどのようなものなのか、自社でエンジンを作ることが可能なのか、新たなサプライヤーが参入してくるのか、関心を持って状況を見守っていくとブラウンは述べた。
「数を合わせるだけのエンジンではなく、競争力が高いインディペンデントのエンジンが欲しい。マニュファクチャラーの存在は大きいし、私は彼らを全面的に受け入れている。だが、かつてそうだったように、チームの選択肢としてインディペンデントのエンジンが存在し、それが競争力のあるエンジンであることが、このスポーツにとって健全であると考える。そこがカギになる」
「かつてF1で活動したコスワースは、終盤は競争力が足りなかった。つまり、レースに勝つ力があるインディペンデント・エンジンでなければ、うまくはいかない」