NOPROデミオ今季初優勝、村上ロードスターはST-5チャンプ確定
9月3日(日)に富士スピードウェイでスーパー耐久第5戦富士10時間決勝レースが行われ、ST-3、ST-4、ST-5クラスにマツダ車が合計8台エントリー。
激戦のST-5クラスで#37 NOPROデミオSKY-D(関豊/梅田剛/井尻薫)が今季初優勝を果たし、同クラス2位となった#88 村上モータース・ロードスター(村上博幸/脇谷猛/加藤正将/雨宮恵司)が本年のシリーズチャンピオンを確定しました。
曇り空のもと、10時間レースは日曜日朝8時にスタート。注目のST-5クラスは、予選3位の#2 BOMEXロードスター(筒井克彦/山下潤一郎/山西康司/田中貴洋)が飛び出し、序盤をリード。
GTドライバーの山西が2位以下を引き離しにかかりましたが、上位クラスのマシンと接触してピットイン。修復に時間を要し、首位争いから脱落します。代わってトップ争いを演じたのは、#66 odulaデミオ15MB(橋本陸/大塚隆一郎/武地孝幸/西山隆)とポールスタートの#88 村上ロードスターでした。
しかし、その直後を走っていた#37 NOPROデミオが給油タイミングによって首位を奪うことになりました。燃費の良さだけでなく、周回ペースも速く、ライバルは#37 NOPROデミオの独走を許すことになります。
その後も、トラブルやミスがなく、ピット作業もいたってスムーズだった#37 NOROデミオが今季初優勝を達成。チームNOPROの粘り強さを改めて印象付けました。
チーム代表の野上敏彦さんは、「給油タイミングでトップに立てたのが良かったですね。燃費が良いため、他のクルマよりも数ラップずつ余計に走れるので、一発の速さは無いけれど、安定したペースを崩さなければ優勝できる可能性は高いと思っていました。本当に何もトラブルやミスがなかったことがこの結果を生んだと思います」と語っていました。
本年からチームに加入したルーキーの梅田さんは、「シーズン初めはなかなかクルマに慣れるのに苦労しましたが、チームの皆さんが良いクルマに仕上げてくださり、(私自身)ようやくパフォーマンスが発揮できるようになりました。この一勝は本当に嬉しいです」と話しています。
一方、4戦連続ポールポジションを獲得した#88 村上ロードスターは、序盤に押し出されて順位を落とし、その後挽回するもののセーフティカー出動のタイミングでピットインしたことでピットストップ60秒のペナルティを受け、さらにピットイン時のスピード違反でドライブスルーを言い渡されて、また後退を余儀なくされます。
さらに、その後パワーステアリングが不調となるなか我慢の走りを続け、2位でコースインした最終ランナーの加藤さんは、首位#37 NOPROデミオとの差を少しずつ詰め、40秒差まで接近するファイトを見せました。
しかし、挽回はそこまで。夕暮れ迫る午後6時のチェッカーをクラス2位で通過し、4人の村上ドライバーは表彰台に上がりました。ここまでに今季3勝している村上モータースチームは、この時点で今季のST-5クラスチャンピオンが確定。チームは、喜びを爆発させました。
ST-5クラスに出場した#50 LOVE DRIVEロードスター(岩岡万梨恵/小松寛子/猪爪杏奈/関崎祐美子)はスタートから30分経過時点でスピン。後続のマシンと接触して、マシンにダメージを負いリペアのためガレージに引き込まれました。
同#66 odulaデミオ15MBはギアボックスの不調でピットインし、#2 BOMEXロードスター同様にガレージで多くの時間を過ごしました。しかし、両車とも修理完了後コースに復帰して完走。
ST-4クラスの#54 TC CORSEロードスター(加藤彰彬/堤優威/古宮正信/小磯正昭)は終盤までクラス5~6位で善戦していましたが、ブレーキトラブルで後退し、こちらも修復後24周差でチェッカーを受けました。
今回から新しいボディキットを装着し、ソウルレッドの塗色にボディをリペイントしてイメージチェンジを果たした#17 NOPROアクセラSKY-D(谷川達也/野上達也/野上敏彦)は、大幅な冷却性能向上を果たしてサーキットに降り立ちました。その結果、ノートラブルで10時間を走り抜き、ST-3クラス7位で完走を果たしました。
野上代表は、「新しいボディキットの冷却性能は、十分余裕があることがわかりました。これからはパフォーマンスアップを狙った改良を加えて行きます。アクセラSKY-Dは、もっと速くなりますので、もう暫く温かい目で見守ってください」と語っていました。