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ETRC:第6戦チェコ、4戦4人の勝者誕生のなか、地元フレートライナーが10勝目

2017年09月08日 16:12  AUTOSPORT web

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レース1のファーストシケイン進入で首位を守った王者ヨッヘン・ハーン
夏休みが明け、後半戦開幕ハンガリーからの連戦となったETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップの第6戦が、チェコのアウトドローモ・モストで開催され、オープニングを王者ヨッヘン・ハーン(イベコ)が制覇。4レースで4人の勝者が誕生する週末となるなか、初の王座獲得へ向け選手権首位を走るアダム・ラッコ(フレートライナー)が日曜レース3を制し、ホームイベントとなる母国で今季10勝目を挙げた。

 土曜最初の予選でポールポジションを獲得したディフェンディングチャンピオンのハーンは、母国ファンからの大歓声を受けるラッコのフレートライナーからのチャージをスタートで封じると、ノルベルト・キス(チーム・タンクプール24レーシング/メルセデス・ベンツ・トラックス)とともに集団を引き離しにかかり、オープニングラップでキスに対しても1.3秒のアドバンテージを築いていく。

 その後方では、レース中盤に向けじりじりとハーンから離されたキスを先頭に、2番手争いの攻防が激化。女性ドライバーのシュティフィ・ハルム(ラインアート・レーシング/MAN)からのアタックをしのぎ切った3番手ラッコは、1コーナーでなぜかエンジンがカットオフされるトラブルに見舞われながらも5番手から追い上げ、5周目の1コーナーでキスをかわし、ついに2番手に浮上。

 その後も声援に後押しされるかのように毎周ベストを刻み、ハーンを追い上げたラッコだったが、3.5秒のギャップを1.4秒に縮めたところで11周のチェッカー。

 ハーン、ラッコ、キスの表彰台となり、4位にハルム、5位にアントニオ・アルバセテ(トラックスポーツ・ルッツ・ベルナウ/MAN)のリザルトとなった。

 続く土曜午後のレース2は、リバースポールとなったイギリス人のライアン・スミス(チームOXXOエナジー/MAN)が、狭いモストのコース特性を活かして今季初勝利をマーク。

 その背後からプレッシャーを掛け続けたハルムは、トラックを振り回しながらのアグレッシブなドライブを見せるも、オーバーテイクはかなわず。3位にひさびさの表彰台となるサッシャ・レンツのMANが入った。

 続く日曜のレース3に向けた予選で地元ポールを獲得したラッコは、スタートからタイトな1コーナーに向けトップを死守すると、その後は2番手ハーンとのギャップをマネジメント。

 ハーンもあらゆる手を尽くしてチャンスを伺ったものの、ラッコはミスを犯さず11周を走破し、地元ファンの大歓声に応える今季10勝目をマーク。

 3位にはハルム、キスからのプレッシャーにさらされながら最終ラップのトラフィックにも助けられ、タイヤ内圧低下の不具合を抱えながらも逃げ切りに成功したアルバセテのMANが入った。

 このモストのトラックは、トレーラーヘッドでのオーバーテイクが難しいトラックであることを証明するかのように、続く最終レース4もリバースポールからスタートしたシェーン・ブレアートン(MAN)が自身のETRC初勝利を記録。

 地元チェコのチームでラッコのチームメイトとなるバギラ・インターナショナル・システムズのデビッド・ベルシュキー(フレートライナー)が2位。そして常に表彰台争いに絡む勝負強さを見せる、ハルムのMANが最後のポディウムを確保した。

 この母国戦で今季チャンピオンシップ2位の王者ハーンに対し、リードを60ポイントにまで広げたラッコだが、残すイベントは3戦12レース。次戦ETRC第7戦は1週のブレイクを挟んで、9月16~17日にベルギーのゾルダーで開催される。