ザウバーF1チームは2018年型マシンの設計に尽力している最中であり、チーム代表のフレデリック・バスールによれば、2018年マシンは現行のマシンとは“まったくの別物”になるということだ。
ザウバーはこれまでのところ、難しいシーズンを過ごしてきている。『C36』のシャシーはパフォーマンスに欠けており、2016年スペックのフェラーリエンジンもパワーが足りず、中団グループのバトルから脱落した状態が続いている。
昨シーズンのザウバーはチーム存続をかけた激動のシーズンを戦っており、そうした事態から2017年型マシンのデザインは重大な影響を被った。
今年の初夏に前代表モニシャ・カルテンボーンからチームを引き継いだバスールは、来シーズンに向けて競争力を備えたパッケージの準備に焦点を置いている。その活動の一環として、エンジンサプライヤーであるフェラーリとの関係にも、てこ入れがあると見られる。
「マシンはすでに風洞実験を行っており、良い仕事ができていると思う」とバスールは述べ、次のように続けた。
「フェラーリとのコラボレーションの度合いについてはまだ議論しているところだが、(2017年型マシンからのキャリーオーバーは)20パーセント未満になる予定だ」」
「現行(マシン)は2016年のものだから、2018年に持ち越そうとすると……いちからやり直す必要がある。それが長い時間をかけて風洞実験を行っている理由でもある。マシンの全体的な概念はまったく異なるものになるだろう」
2018年型マシンの設計については、今年初旬にチームに加入したテクニカルディレクターのヨルグ・ザンダーが、初めて陣頭指揮をとることになる。
バスールはこの目前の仕事を侮っておらず、スタッフのやる気の高まりとリソースから多くを引き出す能力が、長期的に戦力の向上に繋がるだろうとの確信を抱いている。
「グリッド上での状況に左右されるため、目標を定めるのはいつも難しい」とバスールは話す。
「中団グループに復帰するのは困難だろう。大きなステップを遂げないといけないし、来年は大きなレギュレーションの変更がない」
「他のすべてのチームは、我々よりも持ち越せるものが多い。私にとって最も大きな挑戦は、会社の規模を大きくすることと、各部門のパフォーマンスを高めることだ」
「それが可能になればグリッド上での戦力を向上することができる。我々の前のグループはとても近いところにいる。私は戦いに戻りたいんだ」