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WEC:澤圭太、約3時間走行も挽回叶わずランキング首位陥落。「表彰台を逃さないレースを」

2017年09月08日 13:02  AUTOSPORT web

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日本人として唯一LM-GTEアマクラスにフル参戦している澤圭太
WEC世界耐久選手権第5戦は、9月3日に6時間の決勝レースが行われ、澤圭太を擁するクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEはクラス5位完走を果たした。

 2017年シーズン、参戦初年度のクリアウォーター・レーシングはシーズン前半4戦を終えて表彰台2回、優勝1回を挙げる好成績を残したほか、ル・マン24時間耐久レースを含む全ラウンドで完走。ドライバーズランキングでは澤/ウェン-サン・モク/マット・グリフィンがトップと同点の2番手、チームランキングではクラス首位に立っている。

 そんななかで迎えた第5戦メキシコは、第4戦ニュルブルクリンクから約1カ月半ぶりとなるレース。サマーブレイク開けのシリーズ後半戦のオープニングイベントだ。

 戦いの舞台となるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは日本との時差が14時間あり、また、標高2000mを超える高地に位置するため、澤は通常よりも1日早く現地に入り身体を慣らしていく。

 金曜のフリープラクティスを順調に終えたチームと澤は翌日の公式予選に臨み、クラス4番手グリッドを確保する。迎えた決勝では、レース後半に雨が降ることを見越してジェントルマンドライバーのモクをスタートドライバーに抜擢。雨が降りだせば澤とグリフィンが上位を狙う作戦を採った。

 スタート後順調に周回を重ねるモクだったが、スティント中盤に1コーナーでLM-GTEプロクラスの92号車ポルシェと接触。相手をスピンさせてしまったため、レースコントロールからドライブスルーペナルティの提示を受けてしまう。

 さらに、このペナルティの消化時にピットレーンの制限速度を超えてしまい、ふたたびドライブスルーペナルティを受けることに。61号車フェラーリはこの時点でクラストップから2周遅れとなってしまった。

 クラス最後尾にポジションを落としたは61号車フェラーリはモクの最低運転時間の消化後、澤、グリフィンの順にバトンをつなぎ、レース残り1時間30分となったところで再度澤に交代していく。

 当初、澤のスティントは50分の予定だったが、チームはレース終盤に導入されたフルコースイエローのタイミングを利用して燃料給油のみのピットストップを実施。澤を最後まで引っ張る作戦に切り替えた。

 最終的に澤はレース中盤の1時間20分、レース終盤の1時間30分、3スティントで都合2時間50分を走行したが、接触によってダメージを受けたマシンで2周のラップダウンを挽回することは叶わず、クラス5位でのフィニッシュとなった。

 この結果、シリーズランキングはドライバーズランキングが2番手から3番手に、チームランキングも8ポイント差の首位から8ポイント差の2番手に後退してしまった。しかし、チームは2週間後の第6戦オースティンでふたたびランキング首位を奪還し、10月13~15日に開催される第7戦富士にランキングトップで凱旋することを目指す。

 レース後、澤は「ランキングトップに立って迎えた7月のニュルブルクリンクは惜しくもクラス4位。チームもドライバーも経験値を積んで期待が膨らむなか、表彰台に届かきそうで届かないレースが続いてしまっています」と語った。

「しかし自分自身のドライバーとしての走りは、今年1年の厳しい戦いのなかで確実に成長をしていると感じていて、実際に自分でも納得のパフォーマンスができていると思います」

「チームのシリーズタイトルも大事ですが、それぞれのレースで表彰台を逃さないこと、チームと協力して物事をうまく噛み合わせて行くことが先決です。次の第6戦オースティンはすぐにやってきますが、何とかいい形で母国レースを迎えられるように、まずは全力で目前に迫った第6戦に挑みたいと思います」

 WEC第6戦はメキシコラウンドから2週間後の9月14~16日、アメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催される。