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乃木坂46、19thSG「いつかできるから今日できる」選抜分析 初福神や作品との関係性を探る

2017年09月08日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 乃木坂46が19thシングル『いつかできるから今日できる』を10月11日にリリースする。表題曲は映画『あさひなぐ』の主題歌であり、9月3日の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で選抜メンバーが発表された。さらに、9月8日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では楽曲のテレビ初披露を予定している。


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 Wセンターには、舞台版と映画版『あさひなぐ』で主人公・東島旭役をそれぞれ演じた齋藤飛鳥と西野七瀬が、その脇を堀未央奈と白石麻衣が固める。また、伊藤万理華と井上小百合が2列目の“福神メンバー”に抜擢されるなど、注目すべき起用もある。『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う(青弓社ライブラリー)』の著者でもある香月孝史氏は、今回の選抜や『あさひなぐ』プロジェクトについて、「乃木坂46が積み上げてきた独自路線の結実」と語る。


「乃木坂46はデビュー以来、舞台公演に力を入れ続け、映像制作においても気鋭のクリエイターを起用し、個人PVシリーズを展開し続けるなど、演技に関して従来の48グループとは違う独自の路線を切り開いてきました。今回の『あさひなぐ』プロジェクトは乃木坂46を主役に据えて舞台と映画、その主題歌と選抜メンバーを連動させる大掛かりな企画ですが、これは彼女たちの社会的な存在感が大きくなったことと同時に、これまで積み上げてきた独自路線の下地を大前提にして、より大きな規模感で展開できているということの表れです。その意味で、グループの舞台公演で大きな転機の一つだった2015年の舞台『すべての犬は天国へ行く』の参加メンバー8名が今回揃って選抜入りを果たし、8名全員が舞台版・映画版いずれかの『あさひなぐ』に出演していることも、感慨深いポイントの一つです」


 また、選抜メンバーについては、サプライズ起用こそないものの、伊藤と井上の福神メンバー起用については注目したいとコメントしてくれた。


「基本的には舞台版もしくは映画版の『あさひなぐ』に出演しているメンバーを中心に構成されていますが、そのなかで伊藤万理華さんと井上小百合さんが同時に福神メンバーになったのは大きなポイントでしょう。お互いにアンダーのセンターを経験し、シンメトリーなポジションになることも多く、2人によるユニット曲もあった組み合わせで、乃木坂46のライブ面において大きな貢献をしてきた2人。選抜の福神メンバーとしてどのような活躍を見せるのか楽しみです」


 そして、センターと1列目については、演じるキャラクターとの関係性がリンクしていると語る。


「今回、Wセンターを務める西野さんと齋藤さんは『あさひなぐ』映画版と舞台版でそれぞれ同じ東島旭役ですが、1列目でその脇を固めるのは舞台版・一堂寧々役の堀未央奈さんと映画版・宮路真春役の白石麻衣さん。舞台版では東島旭と一堂寧々の関係性が強く表れたストーリーが繰り広げられましたが、映画版はどうやら東島旭と宮路真春の関係性がキーになりそうで、その配役と選抜ポジションのリンクにも注目して映画と楽曲を楽しむことができそうです」


 一方で同氏は、18thシングルで打ち出した“3期生との融合”が連続しなかったことについても触れつつ、今後の展開に期待を寄せた。


「従来、シングル表題曲の選抜メンバーは乃木坂46というグループの現在を示すもので、前作『逃げ水』では3期生の大園桃子さん与田祐希さんをセンターに据えて“3期生との融合”を打ち出しました。今回の選抜では『あさひなぐ』プロジェクトとの連動が前提になっているため、3期生メンバー起用の流れが一旦保留になっているのは残念でもあります。ただ、3期生は舞台『見殺し姫』の上演が決定するなど、先輩たちがこれまで切り開いてきた独自路線の新たな種蒔き役を担うことになり、これから先の乃木坂46の歩みを見据えた動きが見られるので、先々の展開が楽しみです」


 一大プロジェクトを彩る主題歌は、果たしてどのような楽曲なのか。披露の瞬間をチェックしたい。(中村拓海)