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SMAPは心のベストフレンドとして生き続ける 香取、草なぎ、稲垣のジャニーズ退所に寄せて

2017年09月08日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 本日9月8日、香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎の3人がジャニーズ事務所を退所する。3人がレギュラーで出演している番組は概ね継続されるという発表もあったが、香取がMCを務める『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)はすでに終了することが決まっている。『スマステ』の愛称で親しまれてきた番組や、長らく彼らが担当していたCMの契約が終了するのは、やはり寂しい。


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 <そんな悲しげな顔をしないでほしい 僕だってちょっと困って目をそらす>彼らの旅立ちに伴って、脳内に流れてくるのはSMAPの名曲「BEST FRIEND」。2013年に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で初めて5人で旅をした夜に、メンバーがカラオケで歌い、中居正広が号泣した曲だ。かつてメンバーだった森且行が、オートレース選手の夢を追うためにステージを退いたときなど、彼らに大きな波が寄せるたびに歌われてきた楽曲でもある。5人旅では、中居の涙につられて草なぎも泣き笑い。そんなふたりを香取が「ガチ泣き!」と茶化し、稲垣と木村拓哉と静かに笑っていた。


 何がどうして、こうなったのか……という問いの答えは、もはや複雑に入り組んで、きっと誰か一人が単純な回答として発せるものではなくなってしまっているのだろう。情報を受け取る一人ひとりに正義があり、異なる正解を持つ。事実、昨年末のグループ解散から今日この日まで、様々な憶測が飛び交った。何が起こっているのか、ファンが判断ができなくなるほどに。そんな中、彼らが示す唯一の情報は、交錯する個人の意見や感情は抜きにした、実にシンプルな「それぞれが新しい道を進む」というものだった。


 変化は寂しくもあるが、チャンスでもある。これまで見ることのできなかった新しい表現、作品、活動が待っているかもしれない。そう思うと、少しワクワクしてくる。そんな未知な領域を楽しみに感じることができるのは、ひとつの確信があるからだ。それは、彼らの新たな動きも、きっと多くのファンが応援し続けるだろうということ。解散発表から続く一連の動きに、潜在的なファンも含めて、改めてSMAPを愛する人の多さに気付かされた。


 SNSでは「SMAPが続けてきた被災地支援の想いを繋ぎます」「私達ファンが風化しないように」と義援金の協力を呼びかける声が今も途切れることはない。東日本大震災、熊本地震、九州北部豪雨 ……と、SMAPが作った助け合いの輪は決して消えることはない。


 先日放送された情報番組『ドデスカ』(メ~テレ)によると、SMAPが東京パラリンピックを支援する日本財団パラリンピックサポートセンターの公式サポーターだったことから、SMAPがその役目を果たした後も、1万4200人ものSMAPファンがパラリンピックのイベントに来場したという。


 また、解散発表から行なわれてきた『世界に一つだけの花』の購買活動は、トリプルミリオンを達成。そして、SMAPのCDデビュー日である明日9月9日にも多くの店頭にこのCDが並ぶという。それは多くのファンからの予約が今も絶えないからだ。


 9月3日、香取と草なぎがパーソナリティを務めるラジオ番組『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)は、彼らがジャニーズ事務所所属としては最後の放送だった。そこで、ふたりは海外に関するフリートークを繰り広げて、ラストに「世界にしよう」と「世界に一つだけの花」を流したのだ。


 そして、9月2日放送の『中居正広 ON&ON AIR』(ニッポン放送)では中居が「一応、お花を買っていくんですよ、パパのお墓にね」と、こちらも突然フリートークで花の話を始めた。「何を買えばいいんですか? 菊? 菊だけ? もっと華やかにしたいじゃないですか。花屋さんに寄って、色とりどりでお願いします。5色の……」と続けた。<その人が抱えていた 色とりどりの花束と うれしそうな横顔>という「世界に一つだけの花」のフレーズを思い浮かべ、SMAPを象徴する“5”という数字に反応したリスナーは少なくなかったはずだ。


 言葉にできない想いを伝えるために、歌がある。どんな言葉を並べても、受け取る人によって真実が変わって見えるのなら、彼らが歌い続けてきた名曲たちの中に、彼らの真実を見つけ出してはどうだろうか。1991年9月9日はSMAPが『Can’t Stop!! -LOVING-』でCDデビューした日。そして2017年9月9日は、また5人が素敵な夢に向かって歩みはじめるリスタートの日。<聞こえているよ 信じていいよ ずっと僕を>きっとSMAPという存在は、これからもずっと私たちの心のベストフレンドとして生き続けるだろう。(佐藤結衣)