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関ジャニ∞は「奇跡の人」で何を表現した? 現代版「関白宣言」にこめられた本音と建前

2017年09月08日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今夜の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に、関ジャニ∞が出演する。披露するのは、9月6日にリリースされた新曲「奇跡の人」。本作は、錦戸亮が主演するドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)の主題歌として、多くの視聴者に親しまれている楽曲だ。作詞・作曲を手掛けたのは、さだまさし。番組公式HPでは「メンバー自ら、恋愛ソングの楽曲制作を依頼」と語られている。今、関ジャニ∞が「奇跡の人」を歌う意味とは? 芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。


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「近年、関ジャニ∞のみなさんが発表する楽曲のテイストが幅広くて、その表現力の豊かさ、引き出しの多さには、毎回驚かされるばかりです。今回リリースされた『奇跡の人』は、さだまさしさんの代表曲である『関白宣言』の現代版とも言われています。詞には、メンバーの好みや譲れない男の“本音と建前”が取り入れられているとのこと。そのために錦戸さんがメンバーにアンケートを取ったという制作風景を想像するだけでも、彼らのまっすぐさが伝わってきて微笑ましいですよね。さださんの『関白宣言』に比べて、言葉を選んで伝えようとする姿が現代の男性を投影しているように感じます」


 同曲の中では、<こんな俺でも愛してくれる人 俺も駄目なとこ直すから>という一節が印象的だと佐藤氏は続ける。


「彼らはもちろんアイドルですが、働く30代男性という風格そのものが広く支持されているように思います。錦戸さんがドラマで演じている役柄も仕事と自己実現の狭間で、不器用に奮闘する等身大の男性。今回の詞も、メンバーが働き盛りのイチ男性として、自分らしく生きるとは? そんな自分と共に歩んでくれるパートナーとは? という人生の本質的な問いかけにしっかりと向き合って生まれたのではないでしょうか。ステージの上でキラキラと歌って踊る姿、一人前の男として働く姿、そんなアイドルの“建前と本音”もエンターテインメントに昇華できる、それが関ジャニ∞ならではの魅力だと思います」


 初回限定盤は若いカップルがつなぐ手、通常盤は長年連れ添った夫婦が添えた手、そして期間限定盤はメンバー7人の重ねた手……とジャケットも印象的だ。


「9月2日に放送された渋谷すばるさんのラジオ『スバラジ』(NACK5)でも、ジャケットはひとつのアート、例外もあるけれど多くが曲とリンクしているものだと語られていました。本作はまさに楽曲の世界観をビジュアルに落とし込んだジャケットに仕上がっています。期間限定盤の写真にいたっては、恋人や結婚相手のように、関ジャニ∞にとってメンバーが“奇跡の人”ということかもしれませんね。恋愛ソングではありますが、恋人のみならず、夫婦や家族、友達にも通じる歌詞でもあります。そして、関ジャニ∞とファンの間でも成り立つもの。共に人生を笑って過ごしていきたい全ての人に捧げる、そんな愛情深い曲は人間味あふれる魅力を持つ関ジャニ∞ だからこそ響くのではないでしょうか」


 『ミュージックステーション』出演に向けてオフィシャルサイトでは、ファンにとっての“奇跡の人”の写真を公募する動きもあったという。果たして、今夜はどんなライブパフォーマンスになるのか、とても楽しみだ。(竹上尋子)