ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、レーススチュワードが下す最近の裁定には一貫性がないとして不満を表明している。シュタイナーはまた、ハースが他のチームと比べてより厳しく扱われていると考えているとも付け加えた。
シュタイナーは「ハースには、多くのケースで一貫性のない裁定を下されているように思える」と語った。「我々のチームが何かをすると、それがレース中のアクシデントであれ何であれ、必ずペナルティを受ける」
「これには少々悩まされている。我々としては明確な説明が欲しいだけなのだ」
この問題は、イタリアGPの前に行われたドライバーズブリーフィングの席で、ハースF1のケビン・マグヌッセンによって議題として持ち出された。
マグヌッセンは、7月に行われたハンガリーGPにおいて、ルノーF1のニコ・ヒュルケンベルグをバトルのなかでコース外に押し出す形になり、ペナルティを受けた。ベルギーGPではマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソとヒュルケンベルグのチームメイトであるジョリオン・パーマーがサイド・バイ・サイドになり、アロンソがインのラインを取り、パーマーがワイドになった。しかしこれに関してアロンソにはペナルティは科されなかった。
その後のイタリアGPでは、マグヌッセンはモンツァの第2シケインであるロッジアに進入するところでレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンによってコースから押し出されるような形になった。だがレーススチュワードは、この件に関する追加の調査を行う必然性はないと判断した。
マグヌッセンは「これはブレーキを踏むときに起きたことだ」とし、以下のように説明を続けた。「彼(フェルスタッペン)が僕に十分なスペースを残そうとしなかったために、僕は芝地に出てしまい、コーナーを回ることができなかった。ランオフエリアがあったからよかったけど、もしそうでなければ、グラベルトラップにはまるか壁にぶつかるか、いずれにしてもレースはそこで終わっていただろうね」
「頭にきたよ。でもそれは、何のペナルティも下されなかったことに対してだ」とマグヌッセン。
「あれは相手をコースから押し出す行為だった。レースだから、いろいろなことが起きるものだ。だが少なくとも、ペナルティは誰に対しても同じ基準で下されるべきだ」
ドライバーズブリーフィングでマグヌッセンがこの問題を提起した後、シュタイナーはマグヌッセンと共に直接スチュワードたちと話をする機会を持ったという。
「我々は主にモンツァでの一件について話したが、さらに一貫性の問題全般にまで話を広げた」とシュタイナー。
「彼らは、我々だけがそのようになる(不当に扱われる)ことはないと請け合ったが、私は絶対に不当だと考えている」
「そもそもモンツァでの裁定が一貫していない。それに納得していないのだから、彼らの話だって、それがたとえ真意であれ納得などできるはずがない」
「今後いつか明確な説明をしてもらえるのか? 私には分からない。だがこれは一貫性にかかわる問題なのだ。もちろんこれが簡単な仕事でないことは分かっている。私ならやりたくないし、やらないだろう。だが、私の考えでは、この仕事をする者は一貫性をもっているべきだ」
「一貫性を保つためのシステムなり人員を投入すべきなのだ」と強調したシュタイナーは、さらにこう続けた。
「何がベストのやり方かは分からない。だが、彼らなら間違いなく自分たちに実行できる方法を見つけ出すだろう」
シュタイナーは、この案件がシンガポールで行われる次回のドライバーズミーティングで取り上げられることを望んでいる、と付け加えた。