スーパーGT300クラスの元チャンピオンにして『ハコ車マイスター』『ジムカーナキング』などの異名を持つ山野哲也が、今シーズンの全日本ジムカーナ選手権でなんと17度目となるタイトルを獲得。シリーズでの勝利数も97勝となり、節目となる100勝までのカウントダウンが始まった。
8月20日に広島のスポーツランドTAMADAで行われた全日本ジムカーナ選手権第6戦。PN2クラス(1600cc以上のエンジン排気量で2006年以降にJAF登録された2WD車。改造範囲が最も狭くノーマル車に近いクラス)に出場した山野はアバルト124スパイダーとブリヂストンPOTENZA RE-05Dを操り、1本目からトップタイムをマークして優勝。
シーズン序盤の山野は今季からステアリングを握ることになったアバルト124スパイダーとのセットアップ、開発などに手こずり開幕戦を落としたものの、クルマの熟成が進むとともに本来のパフォーマンスを発揮。シリーズ第2戦からこの第6戦まで5連勝を遂げ、見事、シリーズチャンピオンを獲得した。
今年のタイトルを合わせて、山野は全日本ジムカーナ選手権で前人未踏となる17度目のシリーズチャンピオンを獲得。優勝回数も1992年の初参戦以来、シリーズ戦で97勝となり、今季は残り2戦となることから、節目の100勝が2018年シーズンに期待されている。
山野の記録で驚かされるのは、『全日本』の冠が付くJAFの競技、全日本クラスのイベントの勝利数だ。JGTC/スーパーGTでオールスター戦を合わせるとGTで12勝、そしてジムカーナでも前述のシリーズ戦の97勝に加え、オールスター戦、カップ戦で5勝を挙げており、参戦した競技の通算勝利数を数えると114勝という圧倒的な数字が記録されている。
「1992年の全日本ジムカーナ選手権のデビュー以来、ジムカーナを通じて世界に通用するテクニックを身につけることができた。継続は力だとあらためて思う」と、今季のタイトル獲得後に語る山野。
「25歳のときに全日本ジムカーナ選手権シリーズで初代チャンピオンを獲得してから25年以上の年月が経っている(現在52歳)。今もなお、同じカテゴリーで同じタイトルを獲得できているという事実は当時ではまったく想像もしていなかったこと」
「スーパーGTやパイクスピークなど、カテゴリーを超えた挑戦もドライバーとしての技量アップに貢献している。スポンサー、チームクルー、そして多くのファンに感謝しつつ、これからも新たな記録に挑戦し続けていきたい」と、今シーズン残り2戦、そして来シーズンのジムカーナ通算100勝に向けての抱負を語った。
車両開発やタイヤ開発、そしてドライビングスクールの講師を積極的に務めるなど、陰に陽にマルチな活躍で国内モータースポーツを支える山野。記念すべき100勝に向け、ますます勝利への意欲を高めている。