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スーパー耐久:Audi Team Dream Drive2017年第5戦富士レースレポート

2017年09月07日 17:12  AUTOSPORT web

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スーパー耐久:Audi Team DreamDrive2017年第5戦富士レースレポート
スーパー耐久シリーズ2017第5戦富士SUPER TEC
開催日時:2017年9月2日(土)公式予選2017年9月3日(日)決勝
開催サーキット:富士スピードウェイ
Wether/Condition:【予選】晴れ/DRY【決勝】晴れ/DRY
ドライバー:田ヶ原章蔵/白坂卓也/竹田直人/新井敏弘

 佳境をむかえるスーパー耐久2017は一つの山場である富士10時間を迎えました。

 今年度から新設されたTCRクラス、本来スプリントレース用に開発された車両が果たして10時間耐久というレースをどのように戦えるのか、誰も経験したことのない日本国内最長レースにAudi Team Dream Driveは挑戦します。

■9月1日(金)公式フリー走行■
 何といっても決勝は10時間も走ります。なので金曜日のフリー走行では新コンパウンドとなったタイヤや10時間を見据えて新たにセットアップされたセッティングのテストを繰り返しました。

 その為もあって目まぐるしくピットインとピットアウトを繰り返すLUQUI MOLY RS3 LMS。そしてフリー走行が終わったあとにはメカニックチームはマシンの入念なチェックとメンテナンスを行います。

 決勝レースが早朝から始まるのを見越して、前日に当たる土曜日は早くに撤収出来るよう金曜中にやるぞとその作業は日付の変わる頃まで続きました。

■9月2日(土)予選■
 毎回このST-TCRクラスの予選はとんでもない接戦となります。これまで開幕から4戦連続でクラスポールポジションを獲得しているAudi Team Dream Drive。

 狙うはもちろん5戦連続ポールと意気込むAドライバー田ヶ原章蔵選手とBドライバー白坂卓也選手。

 が、ついに連続ポール獲得はストップ。今回も大接戦の予選で45号車はトップからわずか0.174秒遅いクラス2番手で明日の決勝を迎える事となりました。

 この結果にはドライバーチームは特に悔しさのにじむ結果となりました。そして予選終了後はチーム総出でピット作業練習を繰り返し翌日の決勝に備えます。

■9月3日(日)決勝■
 ついに10時間レースが朝の8時よりスタート。が、そのスタート前、まさにグリッドに着いてスタートを待つだけという状況でまさかの電装系トラブルでエンジンがスタートしない。

 スタート時刻までに対処しようとするも無情にも時間切れ。まさかまさかのピットスタートを余儀なくされる事態に。

 スタート早々にもうダメかと思われたのですが、ここから怒涛の追い上げをかけていきスタートから3時間ほどでTCRが肩を並べてひしめくランキングに追いつきこれならまだまだ逆転出来る!とチームも盛り上がったのですが、

しかし、、、

■突然のマシントラブル■
 追い上げムード高まったその時に突如としてマシンが悲鳴をあげます。ハンドルコントロールが思うように出来ず、またミッションも入らないというトラブルで緊急ピットイン。

 一度はドライブシャフトを交換して再出発するも症状は治まらず再びピットイン。ミッションマウント部が破損していて、それがドライブシャフトにも影響を及ぼしているという判断で修理に時間がかかるため、ここで勝負権は手放して完走に目標を切り替えることに。

 ただその為には規定時間以内にマシンをコースに戻す必要があるのでメカニックチームは時間と闘いながらも突貫作業で何とかこれをクリア。何とかマシンを再びコースに戻すことに成功します。

■初のリタイア■
 再びコース復帰したLUQUI MOLY RS3 LMSですが、走行もあと2時間といった頃に症状が再発。ピット作業時間ももう既に無く、原因究明にも時間がかかる為にチーム全員苦渋の決断ではありましたが初めてのリタイアを宣言することに。

 これまでさしたる大きなトラブルなく走り続けてきましたがやはり10時間耐久という過酷なレース、そのダメージの蓄積はあったようです。

 今回の富士には多くの応援いただいているファンの皆さま、スポンサーの皆さまが駆けつけてくださり、その中でのこの結果本当にチーム全員悔しい思いをしております。

 次戦最終岡山戦まで我々は決して諦めておりません。Audi Team Dream Driveの続けての応援を、また来期に繋がるレースをしていきますのでご支援、ご協力を引き続き宜しくお願い申し上げます。

■レース後コメント■
●澤田代表兼監督コメント
 まずは、関係者ならびにチームスタッフの皆様お疲れ様でした。今回の富士はクラス全チームが未体験となる長丁場のレースでした。予選では、連続ポールは逃しましたが僅差の2位ポジション。決勝は長い戦いになることから焦らず勝機を見極めるつもりでした。

 アクシデントによるピットスタート後、どうにかペースを取り戻しクラス3番手まで浮上し期待感もあったのですが・・・3時間後、まさかの車両トラブルに見舞われました。その後、レース復帰は果たすも二度目のトラブルに。

 75%の走行規定に達しないと判断する事態になり、今シーズン初めてのリタイヤとなりました。チームドライバー、メカニック、スタッフをはじめ、奮闘いただいた Audi 関係者の皆様、そして、遠くまで応援に駆けつけていただいた皆様、協賛スポンサーの皆様にお詫び申し上げます。

 次回の岡山が最終戦なので、しっかり準備を進め良い締めくくりができるようチーム一丸となって挑みます。引き続き応援よろしくお願いいたします。

●田ヶ原章蔵選手コメント
 まさかの展開が続きましたね。自分自身はRS3を完全に理解出来ているので、予選も決勝もしっかりと走れたし、チームも万全で来ていたので・・もう我々は勝つしかない!挑戦者の心を忘れず最終戦に、また来期に向けて良いレースをやって終わりたいと思います!本当に沢山の応援感謝申し上げます!引き続き宜しくお願い申し上げます!!

●白坂卓也選手コメント
 フリー走行初日のマシントラブルに始まり、レースウィークを通じてマシントラブルに泣かされる週末になってしまいました。決勝のペースが良かっただけに残念な展開ですが、今の自分たちの力を素直に受け入れてもっともっと「強い」チームになって最終戦岡山に臨む必要がありますね。

 今回はピットまでとても沢山の方々が応援に来てくださった事に改めて感謝致します。シリーズ最後に良いご報告が出来るように頑張ります!

●竹田直人選手コメント
 レースというのは難しいものなんだと痛感しました。基本に立ち返り信頼されるレーシングチームの一員としてどのような振る舞いが最善か今一度考えて行動します。応援頂いている皆さんからのお気持ちに応えることが出来るように頑張ります。これからもさらなる応援を頂けますようにお願い申し上げます!

●新井敏弘選手コメント
 今回ご縁をいただきAudi Team Dream Driveからスーパー耐久第5戦富士10時間耐久レースに参加させていたきました。チームも初めて、そしてこの競技車両も初めてと初めてずくしでしたが チームの方々が本当に親切で雰囲気も良くすぐにチームに溶け込む事が出来ました。

 また今回乗ったTCR車両のAudi RS3も多少の癖は有るもののそれほど乗りにくさも無く予選でもそこそこのタイムを記録する事が出来ました。

 そして迎えた本番。流石に10時間耐久レースなので荒れる事も予想しチームとしてはある程度のタイムを並べて車両にあまり負担をかけないように走る事を念頭にレースをスタートする予定でした。

 しかし、あろう事かスターティンググリッドでエンジンスタートできず、ピットスタートとなり、図らずも最後尾から追い上げする形でレースはスタートしました。トップバッターの白坂選手もハイペースで追い上げ1時間30分後にはある程度の位置まで挽回してくれ2番手の竹田選手にバトンを渡しました。

 その竹田選手もかなりのハイペースで追い上げまずまずの位置で私にバトンが渡されました。そして35分程度走行した時突然、最終コーナー手前でミッショントラブルが発生しそのまま、だましだましピットまで戻り車両修復を試みました。

 そして40分ほど経過し何とか修復を終えてレースに復帰する事が出来ました。まだまだ残り6時間ほど残っているのでチームは諦めずプッシュします。そして後半に突入。田ヶ原選手から竹田選手に交換し順調に周回を重ねていました。

 その間に他のチームにも不運が襲います。HONDAチームは他車との接触で1時間近くピットでの作業を強いられています。その間に何とか順位を上げて行きたい所でした。が竹田選手の後にバトンを渡された私が乗った2周目何と今度は3速ギヤ以上のギヤに入らなくなってしまいました。

 そのまま何とかピットまで戻れたもののミッションの中の不具合のためチームはそのままリタイヤとの決断をしました。何故か 私が乗ってる時に起こる不具合が多くチームには本当に申し訳なく思っております。

 TCR車両もまだ若い車両ですので色々な不具合が起こる可能性も否めませんが次戦は完璧な状態でチームには勝っていただければと心の底から祈願しております。今回は本当に貴重な経験をありがとうございました。