ガブリエル・タルキーニをリードドライバーに開発が進められてきたヒュンダイi30 N TCR ともにWTCC世界ツーリングカー選手権を筆頭に、ハコの名手として活躍してきたアラン・メニュとガブリエル・タルキーニのレジェンドふたりが、ヒュンダイ・モータースポーツが開発中の新型マシン『ヒュンダイi30 N TCR』で、TCRインターナショナル・シリーズの2017年シーズン最終2戦にエントリーすることが明らかとなった。
先日アジア・フライアウェイに突入し、タイ・ラウンドを終えたTCRインターナショナルは、10月初旬に中国・浙江省に新設された寧波国際サーキットでの1戦と、最終戦となるUAEアラブ首長国連邦でのイベントを控えている。
その2戦に向け、ヒュンダイは、現在開発中のTCR車両であるi30 N TCRを、メニュとタルキーニというレジェンド・ドライバーに託し、2018年の本格デリバリーに向けた実戦テストプログラムを実施する。
WRC世界ラリー選手権でワークスチームを率い、ヒュンダイ・モータースポーツの代表を務めるミシェル・ナンダンは、「我々にとって、このi30 N TCRが初のサーキット・スペックとしてデザインされたマシンとなり、ヒュンダイ・モータースポーツにとってのマイルストーンとなるだろう」と期待を語った。
「このプロジェクトにとって、TCRインターナショナル・シリーズへのデビューは大きな瞬間だ。TCRアジア・シリーズと並んで初開催の中国で開催される1戦は、チームやドライバー、そして多くの関係者に、i30 N TCRのポテンシャルを示す良い機会になるだろう」
「i30 N TCRのルックスは、ロードモデルの(スポーティ・ラインである)Nモデルとの近似性を持たせたデザインになっている。その強力なパフォーマンスは、レースカーとロードカーの双方のイメージアップに貢献するだろう」
ヒュンダイ・モータースポーツの開発部隊とメニュ、タルキーニのドライバー陣は、TCRインターナショナルへのデビューに先立ち、スペイン・バレンシアで2日間のテストを敢行。
開発期間中にも協業していたイギリスのBRCレーシングがマシンのオペレーションを担当し、レギュラーのふたり以外に元BTCCドライバーのダン・ウェルチやTCRヨーロッパに参戦中の元WTCCドライバー、スティアン・ポウルセンなど複数のドライバーたちも参加。来季に向け、ポテンシャル・カスタマーとしてi30 N TCRのパフォーマンスを確認する作業を行った。
WTCCでラーダ・ベスタTC1の開発ドライバーを務め、今季はヒュンダイと契約し正式な開発リードドライバーとしてステアリングを握ってきたタルキーニに加え、2016年シーズンのTCRシリーズにウェスト・コースト・レーシングからスポット参戦した経験のあるメニュを招集することで、ヒュンダイはさらにツーリングカーでの「世界的経験を加えることができる」と期待を寄せている。
「名手であるアラン・メニュがチームに加わってくれるだけで、我々のエンジニアへのフィードバックが倍増するだけでなく、トラック上でマシンをどのように扱い、どうセットアップを施せばいいのか、その判断基準や能力を磨くことができる」と語るのは、元JASモータースポーツのチーフデザイナーとしてシビックWTCCのデザインを手がけ、タルキーニとも開発作業を共にした経験を持つ、現ヒュンダイ・モータースポーツ・カスタマーレーシング・マネージャーのアンドレア・アダモ。
「それは我々のドライバーだけでなく、未来の多くのカスタマーたちを助けることにもなるだろう」
この新型『ヒュンダイi30 N TCR』は、10月7~8日に初開催となる寧波国際サーキットでTCRデビューを果たすこととなる。