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オタクの過去を後悔する社会人女子たちよ、自分の意思でやってた趣味を否定するって、虚しくない?

2017年09月07日 07:11  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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趣味とはたいてい、誰から強制されるわけでもなく、自分の意思で没頭して楽しむものだ。これほどに有意義な時間と金の使い方はないのに、世の中には好きだった趣味を「あの時間は無駄だった」とばっさり切り捨ててしまう人もいる。

何かにつけていちゃもんをつけたがるのは僕の悪いところなんだけど、30年以上怪獣オタクを続けている僕が、オタク趣味について物言いをしたい。どうしてもしたい。(文:松本ミゾレ)

「お金を、もっと自分に使えば良かった。脱オタして婚活して幸せになりたい」

先日の「ガールズちゃんねる」で、「オタクに疲れた人・脱オタした人集合」というトピックを見つけた。

トピ主の女性は19歳で声優のファンになり、あらゆるグッズを買い集めてきた。しかし、社会人になってからはCDやDVDだけで満足するようになったそうだ。

どうも、「次々出てくる若手声優の波に疲れ」たり「オタク同士の『自分は見た目に気を遣っている』という張り合いが滑稽に思え」たりで、趣味を続けるモチベーションが下がったらしい。26歳の今は「(オタク趣味に)使っていたお金を、もっと自分に使えば良かった。脱オタして婚活して幸せになりたい」と後悔する日々と語る。

これを読んで僕は率直に「26歳にもなって、ここまで無責任なのか」と驚いた。趣味に投じた時間とお金がムダだったと言い張るけれど、誰も「○○って声優のファンやれ」とは要求していない。自発的にグッズなりCDなりを買い集めるようになっただけなのに、いきなり「若手の波が~」とか「オタクの見た目がどうの~」ってのは、ちょっと虫が良過ぎないか。「脱オタして幸せになりたい」って言い草も、自分は不幸なオタクだったと感じているようで違和感を覚える。

社会人のオタク趣味は、財布と相談しながら適切な距離を保っていくもの

人間、20代後半ぐらいになると、熱中するにも並み以上のエネルギーを必要とする体になってしまう。だから、社会人になって趣味に注げる熱量が低下することって珍しい話じゃない。書き込みの中には、恐らくそういう状態を経験している・したであろう社会人の率直な声もチラホラある。

「ジャニヲタだったけど、2、3年でファンクラブとかCDとか買うのやめた。とにかくお金が浮くね」
「ゆるーく楽しめばいいんじゃないの? 私は中学から約20年、ゆるーくアニオタ続けてるよ」
「ハマるのにもバイタリティがいる。 今は穏やかに古い好きだったものだけを繰り返し楽しんでいます」

特に「ハマるにもバイタリティがいる」という意見は、ものすごく分かる。僕も今はもう、新しいジャンルに手を出そうという気力はかなり少なくなったし、自分のペースでのんびり趣味としてのオタク活動を続け、十分満足している。

ただ、本来趣味って、自分の財力に余裕がある範囲でするものじゃないだろうか。それを、後悔するほどお金を使ってしまったなんて言うのは、距離が適正でなかった証拠。勝手に熱を上げておきながら、いきなり「ムダだった」と宣言するのは、これまで好きだったジャンルへの冒涜にも感じられる。

まあ、脱オタして婚活するってんなら幸せになってほしいとは思うけれど、それにしたって、これまで好きだったものたちを全否定までしなくてもいいんじゃなかろうか。