レッドブル・レーシングのチーム代表、クリスチャン・ホーナーは、F1イタリアGPで同チームのふたりのドライバーがパワーユニット交換によって大量のグリッド降格ペナルティを受けた後、F1はパワーユニットの基数制限の規則を見直すべきだと強く主張した。
モンツァでのイタリアGPでは、パワーユニットコンポーネントの規定使用数を超えたり、ギヤボックスを連続6戦使用の規則を満たさずに交換したことで、9人のドライバーが日曜日の決勝でグリッドを降格されることになった。
レッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンの両名もグリッド順位を下げられたドライバーに含まれており、予選3位のリカルドは16番グリッドから、予選2位のフェルスタッペンは13番グリッドから、それぞれスタートしなければならず、これが決勝の展開に大きな影響を与えた。
しかしホーナーの指摘によれば、問題の本質はF1の並外れて複雑なV6ハイブリッドエンジンにあるという。ホーナーはこのエンジンは2014年に導入されてからというもの、F1を複雑にしてしまっただけで、何のメリットももたらしていないと主張する。
「このエンジンは導入されて以来、なにひとつとしてF1のためになっていない」とホーナーは述べた。
「私が懸念しているのは、来年はより多くのレースがあるのに、エンジンは3基になるということだ。私個人としては、これは次回のストラテジーミーティングで一番に話し合われるべき議題だと考えている」
「私は今年のもっと早期のミーティングで変更されるように働きかけたが、そのときは支持が得られなかった」
「いまでは各チームが、これからシーズン末までに多くのペナルティを科されることになる。それによって状況が変わることを期待している」
とはいえホーナーは、各チームがシーズン中に多数のエンジンを導入し続けることを防ぐため、F1はなにかしらの形の罰則を設けることは必要だと認識している。
「エンジン数を制限する全体的な目的は、コストを削減することにもあるので、ペナルティが大きな抑止力となる必要があるのは明白だ」とホーナーは語った。
「しかしエンジンは世界中に運ばれており、コスト削減になっていない」
「超過のエンジンが使用され、結果としてペナルティが科される。だからもっとバランスのとれた数に戻す必要があるのではないだろうか。おそらくは4基から3基に減らすよりも、5基のエンジンを使えるようにするのが妥当だろう」
F1のスポーツ面を取り仕切るロス・ブラウンは、グリッド降格ペナルティの見直しについてFIAと協議したいと発言しており、将来なんらかの変更が行われる可能性がある。