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MotoGPサンマリノGPプレビュー:ロッシ欠場、ドビジオーゾはシーズン2度目のホームレース

2017年09月05日 20:42  AUTOSPORT web

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シーズン後半戦を迎えるMotoGP。混迷のタイトル争いの行方は
今週末9月8~10日、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリでMotoGP第13戦サンマリノGPが開催される。

 サンマリノGPの舞台となるミサノサーキットはアドリア海を望むイタリアのリッチョーネという街に位置する。

 2011年のマレーシアGPでのアクシデントによりこの世を去ったマルコ・シモンチェリの生まれ故郷が近く、シモンチェリにとってホームコースであったことから、彼の功績を称えて、2012年より『ミサノワールドサーキット マルコ・シモンチェリ』という名がサーキットの正式名称となった。

 サンマリノはミサノのそばにある小さな共和国だが、ミサノサーキット自体はイタリアのリミニ郊外にあり、グランプリの正式名称はサンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPとなる。

 もともとミサノは世界グランプリのホストサーキットとして長い歴史を持っていたが、1993年を最後にグランプリのカレンダーから一度外れ、2007年に復活した。世界グランプリ復活に向けて、コースの大改修を受け、それまでとは逆回りとなり、コースレイアウトも大きく変更された。

 2008年には3つのコーナーのレイアウトが変更され、そのため1周4.180kmから4.226kmへと全長が伸びている。2017年現在では左コーナー6、右コーナー10の計16のコーナーから構成されており、中低速コーナー主体のテクニカルコースだ。

 コースレイアウトは全体的にフラットで、アップダウンはほとんどない。メインストレートも565mと短めで、1周のアベレージスピードもMotoGPクラスで165km/h前後とグランプリ開催コースの中では低い。

 2016年のMotoGPクラスではホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)がポールポジションを獲得。決勝レースではダニ・ペドロサ(ホンダ)が優勝し、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)が2位、ロレンソが3位表彰台に上った。

 Moto2クラスではロレンツォ・バルダッサーリ(カレックス)が優勝、2位にアレックス・リンス(カレックス)、3位に中上貴晶(カレックス)が入賞。Moto3クラスではブラッド・ビンダー(KTM)が優勝、エネア・バスティアニーニ(ホンダ)が2位、ホアン・ミル(KTM)が3位に入賞した。

 そのサンマリノGPをMotoGPクラスのランキングトップで迎えるのは、前戦イギリスGPで2017年シーズン4勝目を記録したドビジオーゾ。オーストリア、イギリスと連勝を飾り、シーズン2度目のホームレースを迎えるドビジオーゾとドゥカティにとって、タイトル獲得に向けて重要なレースとなる。

 一方、ドビジオーゾから9ポイント差のランキング2位に後退したマルケスは、このサンマリノGPで巻き返しをねらう。前戦では3番手走行中の14周目にエンジンブローが発生。リタイアに終わり今年3度目のノーポイントを喫した。

 サンマリノGPはタイトル連覇をねらうマルケスにとっても大事な一戦となるだろう。マルケスは2016年のサンマリノGPでは4位に終わっているが、2015年には優勝を飾っている。

 マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はマルケスから4ポイント差のランキング3位をキープ。ロッシもランキング4位をキープしているものの、先週8月31日、VR46モーターランチで、エンデューロバイクでのトレーニング中に転倒負傷。右足の脛骨と腓骨を骨折し手術を受けたため、ホームレースであるサンマリノGPを欠場することになった。

 今レースはロッシの代役は立てず、ビニャーレスひとりでの参戦となる。ロッシは復帰まで1カ月前後かかると見込まれており、タイトル獲得はかなり厳しい状況となった。

 2016年のサンマリノGPのウイナー、ペドロサはランキング5位。得意とするミサノで上位とのポイント差を縮めたいところ。ヨハン・ザルコ(ヤマハ)はランキング6位とルーキー、インディペンデントチームのランキングトップをキープしている。

 ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)はランキング7位をキープ。過去5年で2勝、4回表彰台に立ったことのあるミサノにドゥカティで初めて挑む。カル・クラッチロー(ホンダ)は前戦イギリスGPでロレンソと1ポイント差のランキング8位に浮上。8月3日、トレーニング中に左手人差し指を負傷しており、この影響が懸念されるところだ。

 ジョナス・フォルガー(ヤマハ)は前戦イギリスGPの決勝朝のウオームアップで転倒し、レースを欠場したため、ランキング9位に後退。ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)がランキング10位で続いている。

 シーズンも終盤戦に差し掛かった第13戦サンマリノGP。混迷のポイント争いの行方を占う1戦となりうるかもしれない。