モンスターエナジーNASCARカップは9月3日、第25戦ダーリントンが行われ、デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が終盤に逆転劇を演じてシーズン2勝目を飾った。
70年近い歴史を持つ伝統あるコース、ダーリントンでの1戦は米国のレイバーデー前日の日曜日にナイトレースとして行われる1戦。また、チャンピオンを決める“プレーオフ”までは残り2戦となるレースでもある。
367周で争われた決勝では、序盤からトヨタ勢が上位を独占。100周目までのステージ1、200周目までのステージ2ともにマーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)が制していく。
迎えた167周の最終ステージは、レース残り100周がグリーンフラッグ下で推移したため、各チームともピット戦略が分かれることに。
そんななか、ハムリンは313周目にピットへ向かったが、ブレーキングが間に合わなかったため、ピットへ入れず。翌周にカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)と同じタイミングでピットへ向かい、大きくタイムを失ってしまう。
14番手でコースへ復帰したハムリンだが、ピット戦略の異なるチームが作業を終えるとトップを走るトゥルーエクスJr.を追い上げ始める。
トゥルーエクスJr.より10周フレッシュなタイヤを履くハムリンは、周回を重ねるごとにギャップを縮め、残り5周でテール・トゥ・ノーズへ持ち込んでみせる。すると、レース残り2周というタイミングで、トゥルーエクスJr.のタイヤがバーストしてウォールにヒット。クラッシュには至らなかったが、大きくポジションを落としてしまった。
これで首位に浮上したハムリンがトップチェッカー。シーズン2勝目を手中に収めた。
「持てる限りの全力を尽くした」とハムリン。
「この勝利は、レイ・ヘンドリックやウェイン・パターソンといったレジェンドドライバーに捧げたい。1985~1989年の間、僕はここで彼らの走りを見て、いろいろなことを学んだんだ」
2位はカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)、3位はカート・ブッシュ(フォード・フュージョン)が獲得。タイヤバーストがあったトゥルーエクスJr.は8位でチェッカーを受けている。
なお、トゥルーエクスJr.はこのレースで通算17度目のステージ優勝を達成。レギュラーシーズン最終戦を待たずして、ポイントリーダーの座を確定させ、プレーオフで有効となるボーナスポイント15点を手にしている。
モンスターエナジーNASCARカップ第26戦は9月9日に、バージニア州のリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで開催。このレースはプレーオフ突入前のレギュラーシーズン最終戦となる。