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ウェブマガジン「OPENERS」をベクトルグループが買収

2017年09月05日 11:53  Fashionsnap.com

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(左から)OPENERS 松本博幸代表、ベクトルグループ 長谷川創 取締役副社長兼グループCOO Image by: FASHIONSNAP
総合PR事業などを営むベクトルグループが、ウェブマガジン「オウプナーズ(OPENERS)」を運営する株式会社OPENERSを買収した。発行済株式の90%を取得し、金額は非公表。

 オウプナーズは2006年10月に開設されたウェブマガジン。当初は七洋が運営していたが、2015年11月に株式会社OPENERSとして独立し、創業時から同メディアに携わってきた松本博幸氏が代表を務めている。月間PVは約500万PV。ファッションディレクターの祐真朋樹が編集長として携わっている。
 ベクトルグループでは、世界中の面白動画や面白ニュースを配信する「クレイジー(CuRAZY)」を運営するラフテック(LAUGHTECH)や、オシャレを発信するニュースサイト「イスタ(ISUTA)」などを展開するマッシュメディアといったメディア運営会社を子会社化。OPENERSとの資本提携に至った決め手について、ベクトルグループの取締役副社長兼グループCOOの長谷川創氏は「オウンドメディアに興味のあるクライアントとのシナジー」「コンテンツの編集力」の2点を挙げる。OPENERSの松本代表も海外に事業を拡げるベクトルとの資本提携にはメリットがあると捉え、将来的には「アメリカ版やヨーロッパ版など、各地域のサイトができれば」とグローバル展開にも意欲的だ。編集体制やコンテンツは変わらず、コンテンツの決定権など運営に関わる部分は引き続きOPENERSが担う。長谷川氏は情報商材の取り扱いに関しては厳しいレギュレーションを強いているといい、OPENERSについても「クライアントとの相性は良いが、運営については口出しはしないし、ベクトルの色を付けることはしない」と断言している。松本代表も、その姿勢が資本提携の決断を後押したという。
 ベクトルがメディア事業に参入したのはコンテンツの制作力の獲得だけではなく、広告市場のシェア拡大も狙いの一つだ。長谷川氏は「PRの市場規模が約1,000億円に対して、広告市場は6兆円ある。総合広告代理店のような動き方ではなく、編集力を活かした"広がるコンテンツ"をオウンドメディアから発信することで、マーケットのシェアを狙いたい」と展望を示す。OPENERSには自社サイトの運営だけではなく、クライアントのオウンドメディアのコンテンツ制作などの部分で、グループ会社ならではのシナジーの創出を期待しているという。